
英語学習を成功させるためには、自分のレベルや興味に合った教材を選ぶことが欠かせません。しかし、いざ図書館へ行っても、膨大な蔵書の中からどの本を手に取ればよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そんな時に頼りになるのが、情報の専門家である図書館司書です。
この記事では、図書館司書の視点から、効率的な英語の本の探し方や、学習効果を高めるためのライブラリー活用術を詳しくご紹介します。図書館の検索システムを使いこなすテクニックから、司書への相談のコツまで、英語上達に役立つ情報を幅広くまとめました。この記事を読めば、あなたの英語学習を支える最高の一冊がきっと見つかるはずです。

図書館で本を探す際、最も確実で効率的な方法は、カウンターにいる図書館司書に相談することです。司書は本の配置だけでなく、内容のレベル感や人気のある教材についても詳しい知識を持っています。ここでは、司書を味方につけて英語学習に最適な本を見つけるための基本をお伝えします。
図書館には「レファレンスサービス」という、利用者の調べ物や本探しをサポートする専用の窓口があります。これは単なる案内係ではなく、司書が専門知識を駆使して目的に合致した資料を提案してくれるサービスです。英語の本の探し方に迷ったときは、まずこの窓口を訪ねてみましょう。
司書に相談することで、自分では気づかなかった隠れた名著や、最新の英語学習トレンドを反映した資料を紹介してもらえることがあります。また、その図書館に在庫がない場合でも、他の図書館から取り寄せたり、購入を検討してもらえたりする場合もあります。遠慮せずに声をかけることが、学習効率を上げる第一歩です。
相談する際は「英語を勉強したい」という漠然とした要望よりも、より具体的な希望を伝えるとスムーズです。例えば「TOEICのスコアアップに役立つ単語帳」や「中学生レベルの文法で読める小説」など、目的を明確にすることで、司書もより的確な資料を探し出すことができます。
レファレンスサービスは無料の相談窓口です。英語学習に関する「何を読めばいいか分からない」という悩みに対して、プロの視点からアドバイスをもらえる貴重な場所ですので、積極的に活用しましょう。
司書が最適な本を提案するためには、利用者の現在の英語レベルを把握する必要があります。しかし、単に「英語が苦手」と伝えるだけでは、司書はどの程度の難易度の本を選べばよいか判断に困ってしまいます。そこで、客観的な指標を交えて伝えることが重要です。
具体的には「英検3級程度の学力がある」「TOEICのスコアが500点くらい」「学生時代以来、20年ぶりに英語をやり直したい」といった具体的な情報を提示しましょう。これにより、司書は「初級者向けの絵本」なのか「中級者向けの語学テキスト」なのかを判断する基準を持つことができます。
また、過去に読んでみて「難しすぎた本」や「ちょうど良かった本」のタイトルを挙げるのも非常に有効です。具体的な例があることで、司書はあなたの読解力の境界線を理解しやすくなります。レベルに合わない本を選んでしまうと挫折の原因になるため、このステップは丁寧に行いましょう。
英語学習において、継続の最大の動機となるのは「内容が面白いかどうか」です。どれほど学習効果が高い本でも、興味のない分野であれば読み進めるのは苦痛になります。司書に本を探してもらうときは、自分の趣味や関心のあるテーマをしっかり伝えましょう。
例えば「海外旅行が好きなので紀行文が読みたい」「ビジネスに関する最新の話題を知りたい」「ミステリー小説が好き」といった情報は、本選びの重要なヒントになります。図書館には語学テキスト以外にも、多種多様なジャンルの洋書が揃っています。司書はそれらの中から学習者の興味と語学レベルが一致する一冊を見つけ出すプロです。
たとえ英語のレベルが初級であっても、興味のある分野であれば背景知識があるため、推測しながら読み進めることができます。趣味の料理について書かれた簡単なレシピ本や、好きなスポーツ選手の伝記など、自分の心が動くテーマを選ぶことで、英語学習は一気に楽しいものに変わります。
【司書への伝え方の例】
・目的:多読(たくさん読むこと)を始めたい
・レベル:中学卒業程度、英検3級保持
・好み:動物が登場する心温まる物語、またはSF
・希望:1冊30分程度で読み切れる薄い本
図書館の棚は、一定のルールに基づいて整理されています。このルールを理解しておくと、司書の助けを借りなくても自分である程度の本を絞り込むことができます。英語の本がどこに置かれているのか、その構造を知ることで本探しが劇的に楽になります。
日本のほとんどの図書館では「日本十進分類法(NDC)」というルールで本を分類しています。英語学習に関連する本は、主に「800番台(言語)」に集まっています。特に英語に関する本は「830番台」に分類されているため、まずはこの棚を探すのが基本です。
830番台の中には、さらに細かい分類があります。例えば、833は英語の辞書、834は英語の文法や語法、837は英語の多読や学習法に関する本といった具合です。この番号を知っておくだけで、館内の案内図を見て迷わずお目当ての棚にたどり着くことができるようになります。
ただし、小説などの物語を探している場合は注意が必要です。日本語に翻訳された英米文学は「930番台」にありますが、原書(英語で書かれた本)は別の「洋書コーナー」にまとめられていることが多いため、館内表示をよく確認するか、司書に場所を尋ねてみてください。
多くの図書館では、英語学習者のために「語学学習コーナー」を特設しています。ここには、文法書や単語帳、TOEIC・英検などの資格試験対策本、そして学習者向けに語彙制限がなされた読み物(グレーデッド・リーダーズ)などが集められています。学習が目的であれば、まずはこのコーナーを目指しましょう。
一方で、ある程度の英語力が身についてきたら「洋書コーナー」にも足を運んでみてください。こちらには、現地の子供たちが読む絵本から、大人向けのベストセラー小説、専門書までが、言語別に並んでいます。学習者向けではない、生の英語に触れることができるのが魅力です。
語学学習コーナーは「英語を学ぶための本」が中心であり、洋書コーナーは「英語で書かれた本」が中心です。自分の今の段階が「基礎を固める時期」なのか「実際に英語を使って情報を得る時期」なのかによって、これら2つのエリアを使い分けるのが賢い英語の本の探し方です。
英語初級者の方に特におすすめしたいのが、児童書コーナーの活用です。意外かもしれませんが、子供向けの絵本は英語学習の宝庫です。非常に簡単な単語と文法で構成されているため、英語のまま内容を理解する感覚を養うのに最適です。
絵本は視覚的な情報が多いため、知らない単語が出てきても絵から意味を推測することができます。これは、辞書に頼らずに英語を理解する訓練になります。また、子供向けとはいえ、ネイティブスピーカーが日常的に使う自然な表現が凝縮されているため、非常に実用的です。
図書館によっては、児童書エリアの中に「外国語の絵本」を集めた棚を設けていることがあります。有名な作品の英語版(例えば『はらぺこあおむし』など)であれば、日本語版で内容を知っているため、よりスムーズに英語のリズムに慣れることができます。大人が児童書コーナーを利用することに抵抗を感じる必要はありません。
最近の図書館では、大人の「学び直し」をサポートするために、児童書を学習資料として推奨しているところも増えています。司書もそうした活用法を熟知していますので、安心して利用してください。

英語力を飛躍的に向上させる手法として注目されている「多読(Extensive Reading)」において、中心的な役割を果たすのが「Graded Readers(グレーデッド・リーダーズ)」です。これらは英語学習者向けに、語彙数や文法の難易度が段階的に調整された本のことです。図書館での探し方のコツを見ていきましょう。
図書館の語学コーナーには、いくつかの出版社から出ているGraded Readersがシリーズごとに並んでいます。有名なものには「Oxford Bookworms(オックスフォード・ブックワームズ)」や「Pearson English Readers(ピアソン・イングリッシュ・リーダーズ)」などがあります。
これらのシリーズは、表紙の色や背表紙の番号でレベルが色分けされているのが特徴です。例えば、レベル1は中学1年生程度、レベル6は英検準1級程度といった具合に、自分の実力に合わせて選べるようになっています。多くの図書館では、これらのシリーズをセットで所蔵しており、レベルごとに棚を分けて並べています。
同じレベルでも出版社によって語彙制限の基準が若干異なることがあります。複数のシリーズを読み比べてみて、自分が最も読みやすいと感じるシリーズを見つけるのも楽しいものです。司書に「読みやすいGraded Readersはどこにありますか?」と聞けば、すぐに案内してくれるでしょう。
多読を実践する学習者の間で共通の指標として使われているのが「YL(読みやすさレベル)」です。これは日本の多読普及団体などが提唱している数値で、0.0から9.9までの数字で本の難易度を表したものです。数字が小さいほど簡単で、大きいほど難しくなります。
図書館によっては、本の背表紙や蔵書印の近くにこの「YL」を記載したシールを貼っていることがあります。また、多読用の図書リストを用意している図書館もあり、そこには語数やYLが詳しく記載されています。この数値を参考にすることで、自分のレベルよりも難しすぎる本を選んでしまうミスを防げます。
理想的な探し方は、「辞書なしでスラスラ読めるレベル」から始めることです。少しでも「難しい」と感じたら、YLを一段下げた本を選ぶのが継続のコツです。司書の中には多読の指導法に詳しい人もいるため、YLに基づいた選書のアドバイスを求めてみるのも良い方法です。
多読三原則
1. 辞書は引かない(推測して読む)
2. 分からないところは飛ばす
3. 合わないと思ったら投げる(無理して読み続けない)
この原則を守るためにも、図書館の豊富な蔵書は非常に役に立ちます。
英語の本の探し方において、音声資料の有無を確認することも非常に重要です。多くのGraded Readersや学習者向けの教材には、朗読CDが付属していたり、音声ダウンロードが可能だったりします。これを利用することで、リーディングだけでなくリスニング力の強化も同時に行えます。
図書館の検索機(OPAC)を使う際は、詳細検索の「資料種別」で「CD付き」や「視聴覚資料」を指定してみましょう。本と音声がセットになっている資料を優先的に見つけることができます。音読を聞きながら文字を追う「リスニング・リーディング」は、英語の語順通りに理解する脳を作るのに非常に効果的です。
また、最近では図書館が「電子図書館」のサービスを導入しているケースも増えています。電子図書館では、音声が内蔵された電子書籍や、オーディオブックそのものを貸し出していることがあります。スマホやタブレットで手軽に聴けるため、通勤・通学時間を利用した英語学習にも最適です。
館内に設置されている検索機(OPAC)を上手に使いこなすことは、司書に頼らずに自力で目的の本にたどり着くための必須スキルです。単にタイトルを入力するだけではない、少し高度な検索テクニックを覚えるだけで、英語の本の探し方はぐっと広がります。
まずは基本となるキーワード検索ですが、複数の言葉を組み合わせることで精度を高められます。例えば、単に「英語」と検索すると数千件の結果が出てしまいますが、「英語 多読 小説」や「英語 文法 初級」のように絞り込むことで、目的の本に近づけます。
また、英語学習者にとって便利なキーワードとして「段階別読み物」や「語彙制限本」という言葉があります。これらはGraded Readersを指す日本語の図書館用語です。これらの言葉で検索すると、多読用の本を一気にリストアップすることができます。
さらに、特定のシリーズ名(例:Oxford Bookworms)や著者名での検索も有効です。検索機には「前方一致」や「部分一致」などの設定がある場合がありますが、よく分からない場合は、タイトルの一部だけでも入力して検索してみましょう。意外な掘り出し物が見つかることもあります。
【おすすめの検索キーワード例】
・「英会話 フレーズ」:日常表現を学びたい時
・「ELT(English Language Teaching)」:語学教育用の資料
・「Bilingual」:日本語と英語が併記された本
・「対訳」:左右のページで日本語訳がついている本
タイトルや著者名が思い出せないときに便利なのが「件名検索」です。件名とは、その本が「何について書かれているか」を司書が専門的な言葉でラベル付けしたものです。検索機の項目で「件名」を選び、「英語教育」や「読本」などの言葉を入力してみてください。
これにより、タイトルに「英語」という言葉が含まれていなくても、中身が英語学習に関する本を網羅的に探すことができます。これは、タイトルが英語で書かれている洋書を探す際にも非常に役立つ手法です。司書が裏側で行っている整理作業の成果を、検索機を通じて利用できるのです。
また、先ほど紹介した「分類記号(NDC)」を検索条件に入れることもできます。「830」や「837」といった分類番号を指定して検索すれば、その棚にある本を画面上で一覧することができます。図書館に行く前に、どの棚にどのような本があるかを予習する際にも便利な機能です。
図書館の蔵書は日々更新されています。多くの図書館の検索機やWebサイトには「新着図書」という項目があり、最近購入された本だけをチェックすることができます。英語学習のトレンドは変化が早いため、最新の試験対策本や話題の学習メソッド本をいち早く見つけるのに役立ちます。
もし、目的の本が「貸出中」だった場合は、迷わず「予約」機能を使いましょう。人気のある英語学習本は常に誰かが借りている状態であることが多いですが、予約を入れておけば返却され次第、優先的に借りることができます。自分の順番が来たらメールで知らせてくれるサービスも一般的です。
また、自分の住んでいる自治体内の複数の図書館がネットワーク化されている場合、近くの図書館にない本でも、他の分館から配送してもらうことができます。検索機で「全館」を指定して探すことで、より多くの選択肢の中から自分に合った英語の本を選ぶことが可能になります。
| 検索テクニック | メリット |
|---|---|
| 掛け合わせ検索 | 目的の本に素早く絞り込める |
| 件名検索 | タイトルにキーワードがなくても探せる |
| 分類番号検索 | 特定の棚にある本を丸ごと把握できる |
| 新着予約 | 人気本や最新本を確実に借りられる |
図書館はただ本を借りるだけの場所ではありません。英語学習者を強力にバックアップする様々なサービスが存在します。これらのサービスを賢く利用することで、独学では得られない情報や機会を手にすることができます。英語学習を習慣化するためのヒントを探ってみましょう。
自分の利用している図書館に、どうしても読みたい英語の本がない場合でも、あきらめる必要はありません。「相互貸借(そうごたいしゃく/Interlibrary Loan)」という制度を使えば、他の自治体の図書館や、時には大学図書館などから本を取り寄せることが可能です。
例えば、絶版になってしまった古い英語の名著や、非常に高価な専門書、特定の地域にしかない郷土資料的な英語文献なども、この制度を使えば地元の図書館のカウンターで受け取ることができます。司書が全国のネットワークを使って、どこにその本があるかを調べて手配してくれます。
送料の負担については図書館によって異なりますが、多くの公立図書館では無料で対応してくれます。自分専用の巨大な書庫が全国にあると考えることができ、学習の幅が大きく広がります。探し方に行き詰まったら、司書に「他館からの取り寄せはできますか?」と相談してみてください。
相互貸借を利用する際は、正確な書名、著者名、出版社、出版年を伝えると司書の作業がスムーズになります。Amazonなどの商品ページを印刷して持参するのも良い方法です。
図書館には本だけでなく、国内外の新聞や雑誌も置かれています。英語学習において、最新の時事問題やトレンドを知ることは、実用的な英語力を養うために非常に効果的です。多くの図書館では『The Japan Times』などの英字新聞や、『TIME』『Newsweek』といった海外雑誌を定期購読しています。
雑誌は写真や図解が多いため、長いテキストを読むのが苦手な方でも視覚的に情報を補いながら読むことができます。また、最近の流行語やスラング、現地の文化に根ざした表現など、辞書や教科書には載っていない「生きた英語」を学ぶ絶好の教材となります。
バックナンバーを貸し出している図書館も多いため、気になる特集があれば自宅でじっくり読むことも可能です。英語の本の探し方の一環として、新聞・雑誌コーナーのリストをチェックする習慣をつけることをおすすめします。常に最新の情報に触れることで、学習のモチベーションも維持しやすくなります。
一部の図書館では、地域住民の国際交流や語学学習を支援するために、英語に関するイベントを開催しています。例えば、英語での「おはなし会(読み聞かせ)」や、学習者同士の交流会、ネイティブ講師を招いたワークショップなどが行われることがあります。
こうしたイベントに参加することで、同じように英語を学ぶ仲間と出会うことができます。司書はイベントの企画を通じて、地域でどのようなニーズがあるかを把握しているため、イベントの情報を尋ねることで新たな学習のきっかけを得られるかもしれません。館内の掲示板やWebサイトをこまめにチェックしてみましょう。
また、図書館の学習室(自習室)は、英語学習に集中するための最高の環境です。自宅ではなかなかやる気が出ないときでも、周囲が静かに読書や勉強をしている環境に身を置くことで、自然と学習モードに切り替えることができます。図書館を「本を探す場所」としてだけでなく、「学習を継続する拠点」として活用しましょう。

図書館での英語の本の探し方は、単に棚を眺めるだけではなく、専門家である司書の知恵や、洗練された検索システム、そして多様なサービスを組み合わせることで何倍も効率的になります。まずは、自分のレベルや興味を司書にしっかり伝え、おすすめのGraded Readersや学習コーナーを案内してもらうことから始めてみましょう。
図書館には、あなたのレベルに合わせて段階的に学べる工夫が凝らされた本がたくさん眠っています。日本十進分類法(NDC)やYL(読みやすさレベル)などの指標を意識しながら、自分にぴったりの1冊を見つけるプロセスそのものを楽しんでください。無料で利用できるこれらのリソースを最大限に活用することは、英語上達への最短ルートと言っても過言ではありません。
英語学習は、自分に合った良質な「本」との出会いによって大きく加速します。今回ご紹介した探し方のテクニックを駆使して、図書館をあなたの最強のパートナーに変えていきましょう。今日から早速、お近くの図書館へ足を運び、司書に声をかけてみてください。新しい英語の世界への扉が、きっとそこから開かれるはずです。