
学童保育の現場で英語を取り入れたいけれど、どのようなアクティビティを用意すれば良いか悩んでいる指導員の方は多いのではないでしょうか。放課後の時間は子供たちにとって貴重な休息と遊びの時間です。そのため、学校の授業のような「勉強」ではなく、思わず夢中になってしまうような「遊び」の中に英語を組み込むことが成功の秘訣です。
この記事では、学童保育で英語アクティビティを導入する際の具体的なネタや、子供たちが飽きずに楽しめる工夫を詳しく解説します。特別な準備が不要なゲームから、季節のイベントに合わせた工作まで、明日からすぐに使えるアイディアをまとめました。子供たちの笑顔を引き出しながら、自然と英語に親しめる環境づくりを始めていきましょう。

学童保育は、小学校低学年から高学年まで幅広い年齢層が一緒に過ごす場所です。そのため、英語アクティビティを計画する際には、全員がルールを理解でき、かつ楽しみながら参加できる工夫が求められます。ここでは、ネタ選びにおいて最も重要となる3つの観点について解説します。
放課後の子供たちは、一日の授業を終えて疲れています。そんな時に「英単語を覚えよう」という姿勢で接してしまうと、子供たちは拒否感を示してしまいます。学童保育での英語は、あくまでコミュニケーションのツールの一つとして、遊びの中で自然に触れることが理想的です。
例えば、鬼ごっこやボール遊びといった普段の遊びに、英語のフレーズを一つ加えるだけで立派なアクティビティになります。文法を完璧に教えることよりも、英語を使って遊ぶことが「楽しい」というポジティブな記憶を残すことを最優先に考えましょう。
子供たちが自発的に「もう一回やりたい!」と言い出すようなゲーム性の高いネタを選ぶことが、長続きする秘訣です。指導員自身も一緒に全力で楽しむ姿を見せることで、英語に対する心理的なハードルを下げることができます。
学童保育には1年生から6年生まで在籍しているため、難易度の設定が非常に重要です。1年生でも理解できるシンプルなルールでありながら、高学年が退屈しないようなアレンジを加える工夫をしましょう。
例えば、英語を使ったゲームで高学年に「リーダー役」や「審判役」を任せることで、彼らの自己肯定感を高めることができます。一方で低学年の子供たちには、単語を知らなくても周りの動きを見て真似すれば参加できるような、視覚的な要素の強いゲームがおすすめです。
体力の差や知識の差を埋めるために、チーム戦にするのも一つの手です。異年齢混合のチームを作ることで、年上の子が年下の子をフォローする体制ができ、集団生活としての学びも深まります。
現場の指導員は日々忙しく、複雑な準備が必要なアクティビティは継続が困難です。そのため、身の回りにあるものや、100円均一ショップで揃うアイテムだけで完結するネタを選ぶことが大切です。
ホワイトボードやカラーコーン、あるいは自分たちの身体さえあればできるゲームは、思い立った時にすぐ実施できます。また、一度ルールを覚えたゲームは、単語のカテゴリー(動物、食べ物、色など)を変えるだけで、何度でも繰り返し遊ぶことが可能です。
ヒント:ネタ選びの基準
・準備時間が5分以内であること
・ルール説明が日本語1分以内で終わること
・子供たちの動きが多く、賑やかになっても大丈夫なもの
無理なく続けられるルーチンを作ることが、結果として子供たちの英語上達への近道となります。まずは低コスト・低エネルギーで始められるものから挑戦してみましょう。
元気いっぱいの子供たちには、身体を動かしながら英語に触れるアクティビティが最も効果的です。全身を使って英語を表現する手法は「TPR(Total Physical Response:全身反応教授法)」と呼ばれ、言葉の意味を体感的に理解するのに適しています。
日本でいう「船長さんの命令」に似たゲームで、指導員の指示を聞き分ける集中力が必要な遊びです。リーダーが「Simon says, Touch your nose!」と言ったら鼻を触りますが、「Touch your nose!」とだけ言われた時は動いてはいけません。
このゲームの魅力は、身体のパーツや動作(Run, Jump, Sit downなど)を瞬時に覚えられる点にあります。最初はゆっくり、徐々にスピードを上げることで子供たちは大興奮します。引っかかってしまった子も、すぐに次の回で復活できるルールにすると雰囲気が良くなります。
低学年の子には、リーダーが実際に動きを見せながら指示を出すと分かりやすくなります。慣れてきたら、子供たちの中からリーダーを選んで「Simon」役を担当させてみるのも良い刺激になるでしょう。
誰でも知っているフルーツバスケットも、英語で行うことで最高のアクティビティに変わります。子供たちに「Apple」「Banana」「Grape」などのフルーツの名前を割り当て、真ん中のオニが「Apples!」と叫んだら、そのフルーツの子たちが席を移動します。
全員を動かしたい時は「Fruit basket!」と言うのがルールです。これを発展させて「People wearing blue!(青い服を着ている人)」や「People who like sushi!(寿司が好きな人)」といった指示にすると、より多様な英語表現に触れることができます。
このゲームでは、短くても大きな声で英語を発する機会が生まれます。恥ずかしがり屋な子でも、ゲームの熱中度が高まれば自然と英語を口にするようになります。指導員は、子供たちが正しい発音で言えるよう優しくサポートしましょう。
欧米で非常にポピュラーな追いかけっこゲームです。子供たちは輪になって座り、オニが一人一人の頭を軽く叩きながら「Duck, Duck, Duck...」と言い歩きます。誰かのところで「Goose!」と言ったら、その子とオニが反対方向に走って席を奪い合います。
「Duck」と「Goose」という二つの単語を繰り返すだけなので、英語が初めての子供でも即座に参加できます。シンプルながらもスリルがあり、学童保育の広いスペースを活かしたアクティビティとして最適です。
「Goose!」と言われた瞬間の爆発的な盛り上がりは、子供たちの記憶に強く残ります。遊びの要素が強いため、英語の授業という感覚を完全に消し去り、純粋な楽しみとして提供できるのが大きなメリットです。

活発なゲームの後は、少し落ち着いてカードや小道具を使ったアクティビティを取り入れると、学童保育の時間配分がスムーズになります。視覚情報を組み合わせることで、英単語と意味が一致しやすくなります。
ビンゴは子供たちが大好きなゲームの一つです。通常の数字の代わりに、動物、色、食べ物などのイラストが描かれたマス目を使います。指導員が「It's an Elephant!」と言いながらカードを見せ、自分のシートにその絵があれば印をつけます。
市販のビンゴセットを使わなくても、子供たち自身に3×3のマス目を書かせ、好きな単語を書き込んでもらう「手作りビンゴ」もおすすめです。自分で書くことで、単語の綴り(スペル)や形を意識するようになります。
「BINGO!」と叫ぶ時の達成感は、英語への自信につながります。最後に景品としてシールなどを渡すと、さらにモチベーションが高まりますが、景品がなくても十分に楽しめるネタです。
ビンゴを楽しくするコツ
・指導員が発音した後に、全員でリピートする時間を設ける
・「鳴き声」や「色」のヒントを出して、何の単語か当てさせるクイズ形式にする
・一列揃ったら「Bingo!」、あともう少しなら「Reach!」と英語で言わせる
英単語が書かれたフラッシュカードを床に広げ、指導員が言った単語を誰が一番早く取るか競うゲームです。日本のカルタと同じルールなので、説明がほとんど不要なのが強みです。瞬発力とリスニング力が同時に鍛えられます。
カードを2セット用意して2つのチームで対抗戦にすると、チームワークも生まれます。高学年の子が低学年の子に「次はあの単語だよ」と英語で教え合う光景が見られることもあります。競争心が適度な緊張感を生み、集中力がアップします。
カルタ取りをする際は、カードを取る前に「手は頭の上」などのルールを作ると、公平性が保たれトラブルを防げます。勝敗にこだわりすぎる子がいる場合は、チームの合計枚数で競うなどの配慮をしましょう。
「Scavenger Hunt」は、リストに書かれたアイテムを探して集めるゲームです。学童の室内や園庭を使って行います。「Find something red(赤いものを探して)」「Find something round(丸いものを探して)」といった指示を出します。
このアクティビティの良いところは、身の回りのあらゆるものが英語学習の教材になる点です。指示の内容を「Find something beginning with 'B'(Bで始まるものを探して)」のようにレベルアップさせることで、年齢に合わせた難易度調整が可能です。
見つけたものを持ってくるだけでなく、スマートフォンのカメラ(指導員の管理下)を使って写真を撮ってくる「フォト宝探し」にすると、現代の子供たちはさらに喜びます。五感を使って英語で周囲を観察する素晴らしい機会になります。
日本の文化と英語圏の文化を掛け合わせた季節のイベントは、子供たちにとって大きな楽しみです。普段の遊びとは少し趣向を変えて、特別な雰囲気の中で英語に触れるネタをご紹介します。
学童保育で最も盛り上がる英語行事といえばハロウィンです。自分たちで「Jack-o'-lantern(ジャック・オー・ランタン)」の塗り絵をしたり、お菓子のバッグを工作したりするところから始めましょう。工作の工程で「Cut」「Glue」「Color」といった動作の英語を教えることができます。
当日は仮装をして「Trick or treat!」と言いながら、指導員のところにお菓子をもらいに行く体験をさせます。返事として「Happy Halloween!」や「Here you are!」をセットで練習することで、やり取りの楽しさを実感できます。
また、目隠しをして福笑いのようにモンスターの顔を作る「Pin the Tail on the Donkey」のハロウィン版「Pin the Nose on the Pumpkin」なども、歓声が上がる人気のアクティビティです。
冬の時期には、クリスマスの曲に合わせて英語に親しみます。「Jingle Bells」や「We Wish You a Merry Christmas」などの有名な曲は、サビの部分だけでも英語で歌えると子供たちは得意げになります。リズムに合わせて手拍子をしたり、ダンスを加えたりしましょう。
また、クリスマスカードを手作りして、家族や友達に英語でメッセージを書く活動も素敵です。「Merry Christmas!」や「Happy New Year!」といった決まり文句を書くだけでも、立派なアウトプットになります。
カードを飾るためのオーナメント作りでは、色や形の英語を積極的に使います。「I want a blue star please.」といった簡単な要望を英語で言えるように導くのがポイントです。
アクティブな活動の終わりには、英語の絵本の読み聞かせが効果的です。季節に合わせた絵本を選び、指導員が読み上げます。英語が苦手な指導員でも、最近は音声付きの動画や絵本アプリが充実しているため、それらを活用しても構いません。
ポイントは、すべてを日本語に翻訳しないことです。イラストを見ながら「What is this?」「It's a cat!」といった短いやり取りを挟むことで、子供たちは文脈から意味を推測する力を養います。
読み聞かせのコツ
・表情を豊かに、声のトーンを変えて読む
・重要な単語は指を差して強調する
・物語が終わった後に、簡単な感想を英語で引き出す(Good? Funny? など)
読み聞かせは、英語の音の響きに慣れるために非常に有効です。リラックスした雰囲気の中で英語に触れることで、学習としての英語とは異なる、心地よい体験を提供できます。
アクティビティそのものと同じくらい大切なのが、子供たちが「英語を話してみよう」と思える環境づくりです。指導員のちょっとした振る舞いや声掛けで、学童保育内の英語への親しみやすさは大きく変わります。
言葉が通じない不安を解消するために、指導員は「オーバーアクション」を意識しましょう。「Wait!」と言う時に手を大きく広げたり、「Great!」と言う時にサムズアップ(親指を立てる)をしたりすることで、意味が視覚的に伝わります。
子供たちは指導員の動きをよく見ています。大人が照れずに楽しそうに英語を話している姿は、子供たちの模範となります。言葉が100%分からなくても、ジェスチャーがあれば状況は理解でき、それが「伝わった!」という成功体験に繋がります。
言葉よりも先に感情や意図が伝わることが、コミュニケーションの第一歩です。指導員自身がパフォーマーになったつもりで、賑やかに場を盛り上げることがアクティビティの質を高めます。
子供が間違った英語を使っても、決して否定したり強く訂正したりしてはいけません。学童保育の場では、文法よりも「伝えようとする意欲」を最大限に尊重すべきだからです。間違えても「Nice try!」と笑顔で返し、さりげなく正しい表現を重ねてあげるのが賢明です。
例えば、子供が「Apple!」とだけ言った場合、「Yes, it's a red apple!」と文章で返してあげることで、自然な形で正しい表現に触れさせることができます。評価されるストレスがない環境こそが、自由な発話を促します。
完璧を目指すのではなく、英語を「音遊び」のように楽しむ感覚を持たせてあげましょう。褒める時は「Amazing!」「Perfect!」「Excellent!」など、バリエーション豊かな褒め言葉を使うと、子供たちも新しい単語を覚えていきます。
指示を待つだけでなく、子供たちが自分から英語を使えるような仕組みを作ります。例えば、おやつの時間に「Please」と言ってから受け取るルールを作ったり、帰りの挨拶を「See you!」に統一したりといった工夫です。
また、アクティビティの中で「リーダー」や「アシスタント」の役割を交代で担わせます。役割を与えられた子供は、その責任感から積極的に英語を使おうと努力します。特に高学年の子供には、低学年の子への「先生役」を任せると非常に効果的です。
学童保育で使える日常の英語フレーズ
・Wash your hands!(手を洗おう!)
・Clean up time!(お片付けの時間だよ!)
・Are you ready?(準備はいい?)
・Line up, please.(並んでください)
このように日常の動作と英語を結びつけることで、特別なアクティビティの時間以外でも自然と英語が飛び交う環境が育まれます。生活の一部に英語を取り入れることが、定着への一番の近道です。

学童保育での英語アクティビティは、子供たちが放課後を楽しく過ごすためのスパイスのような存在です。無理に教え込もうとするのではなく、指導員も一緒に楽しみながら、英語という新しい遊び道具を提供してあげる姿勢が大切です。本記事で紹介したネタを参考に、現場の子供たちの反応を見ながらアレンジを加えてみてください。
ネタ探しの際は、常に「自分が子供だったらやりたいか?」という視点を忘れないようにしましょう。流行りのアニメのキャラクターを取り入れたり、最新のゲーム要素を加えたりすることで、子供たちの食いつきは格段に良くなります。また、インターネット上のリソースを活用し、世界中の子供たちが遊んでいるゲームをリサーチするのも良いアイディアです。
最後に、学童保育における英語アクティビティの要点をまとめます。
| ポイント | 具体的な内容 |
|---|---|
| ネタの性質 | 「勉強」ではなく、身体を動かす「遊び」をメインにする |
| 難易度調整 | 低学年も参加できるシンプルさと、高学年の役割分担を両立させる |
| 指導員の姿勢 | 完璧な英語より、笑顔とオーバーアクションで場を盛り上げる |
| 環境づくり | 間違えてもOKな雰囲気を作り、日常的に英語の挨拶を取り入れる |
英語は、世界中の人と繋がるための素晴らしい道具です。学童保育というリラックスした場所で英語に触れた経験は、子供たちが将来、本格的に英語を学び始めた時の大きな財産となるはずです。まずは今日から、簡単な英語の掛け声一つから始めてみませんか。子供たちのキラキラした瞳とともに、楽しい英語の時間を築いていきましょう。