
近年、訪日外国人観光客や在留外国人の増加に伴い、警察官が現場で英語を使って対応する機会が非常に増えています。特に緊急を要する通報対応では、正確かつ迅速な情報の聞き取りが求められます。しかし、いざ外国人を目の前にすると、どのような言葉をかければよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、警察官が通報対応で知っておくべき英語フレーズを場面別に分かりやすく解説します。最初の声掛けから、事件・事故の詳細な聞き取り、そして指示出しまで、実務でそのまま使える表現を厳選しました。この記事を読むことで、現場での英語対応に対する不安が解消され、より自信を持って公務にあたれるようになるはずです。
また、英語上達方法ガイドとして、単なる暗記に留まらない「伝わるコツ」も併せて紹介します。専門的な用語も噛み砕いて説明しますので、英語が苦手な方でも安心して読み進めてください。それでは、現場で役立つ実践的なフレーズを一緒に学んでいきましょう。

通報を受けて現場に到着した際、あるいは交番(Koban)に相談に来た外国人と接する際、最も重要なのは「安心感」を与えることです。パニックになっている相手を落ち着かせ、言語の壁を最小限に抑えるための第一声から学んでいきましょう。
現場に到着して最初にかける言葉は、シンプルで明確である必要があります。まずは自分が警察官であることを示し、相手に助けが必要かどうかを確認しましょう。最も基本的なフレーズは「Police. How can I help you?(警察です。どうなさいましたか?)」です。これにより、相手は警察が到着したことを認識し、状況を話し始めるきっかけを得ることができます。
相手が興奮している場合は、状況を問い詰める前に、まずは安全を確保したことを伝えましょう。「Are you okay?(大丈夫ですか?)」や「Is everyone safe?(皆さんご無事ですか?)」といった短い問いかけが、相手の緊張をほぐす役割を果たします。特に被害に遭った直後の人は、英語が母国語であっても言葉が詰まることがあるため、優しく問いかけることが大切です。
もし、相手が自ら駆け寄ってきた場合は「What happened?(何があったのですか?)」と、まず出来事の概要を尋ねます。この際、相手の言葉を最後まで聞き取る姿勢を見せることで、信頼関係が築かれやすくなります。焦って情報を引き出そうとするのではなく、まずは相手の状況を肯定的に受け止めることから始めてください。
【基本の挨拶フレーズ】
・Police. Is everything alright?(警察です。何かありましたか?)
・Please tell me what happened.(何があったのか教えてください。)
・I am here to help you.(あなたを助けるために来ました。)
通報者が必ずしも英語を流暢に話せるとは限りません。まずは「Do you speak English?(英語を話しますか?)」と尋ね、コミュニケーションの土台を確認しましょう。もし英語が通じにくい場合は、ゆっくりと短文で話すことを意識します。相手が焦っているときは「Please calm down.(落ち着いてください)」と声をかけるのが効果的です。
「Take a deep breath.(深呼吸してください)」というフレーズも、パニック状態の人を落ち着かせるのに非常に有効です。相手が冷静にならないと、正確な情報の聞き取りは困難になります。警察官自身が落ち着いたトーンで話すことで、その場の空気をコントロールすることができます。言葉だけでなく、身振り手振りも交えて「ゆっくり話して」と伝えるのも一つの方法です。
また、「Don't worry.(心配しないで)」という言葉を添えるだけでも、外国人にとっては大きな心の支えになります。日本の警察制度に慣れていない外国人にとって、制服を着た警察官は威圧的に映ることもあるため、やさしい口調で接することが円滑な通報対応のポイントとなります。相手の目を見て、誠実に対応していることを示しましょう。
補足:英語以外の言語が疑われる場合は、スマートフォンの翻訳アプリや、指差し確認シート(Point-and-speak sheet)を活用するのも実務的な判断です。無理に英語だけで解決しようとせず、ツールを併用することでミスを防げます。
複雑な事件や事故の場合、日常会話レベルの英語では不十分なケースがあります。そのようなときは、無理をせず専門の通訳(Interpreter)を呼ぶことを伝えましょう。「I will call an interpreter.(通訳を呼びます)」と言えば、相手は自分の意思が正確に伝わることを期待して安心します。待機をお願いする際は「Please wait a moment.(少々お待ちください)」と伝えます。
電話での通訳サービスを利用する場合は、「I will use a telephone interpretation service.(電話通訳サービスを使います)」と説明してください。相手には受話器越しに話してもらう必要があるため、その手順も簡単に伝えるとスムーズです。また、通訳が到着、あるいは電話につながるまでの間、「We will find someone who speaks your language.(あなたの言語を話せる人を探します)」と状況を説明し続けることが大切です。
通訳を待つ間も、相手を放置してはいけません。「It may take some time.(少し時間がかかるかもしれません)」と具体的に伝えることで、相手の不安を軽減できます。法的な手続きや権利告知が必要な場面では、誤訳が大きな問題に発展するため、自分の英語力に自信があったとしても、必要に応じてプロの通訳を介することが推奨されます。
状況が落ち着いたら、次は具体的な情報の収集に移ります。警察官としての通報対応で最も重要なのは、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を正確に把握することです。効率的に質問を重ねていくためのフレーズを見ていきましょう。
事件や事故が発生した場所の特定は、応援の要請や捜査の起点となるため最優先事項です。「Where did it happen?(それはどこで起きましたか?)」という質問が基本です。もし現在地が現場であれば「Did it happen right here?(ちょうどここで起きましたか?)」と確認しましょう。目印となる建物などを聞く場合は「Are there any landmarks nearby?(近くに何か目印はありますか?)」と尋ねます。
電話での通報対応(110番対応)の場合は、通報者が自分の場所を正確に把握していないこともあります。「What can you see around you?(周りに何が見えますか?)」と聞くことで、周囲の状況から場所を絞り込むことができます。「What is the nearest station?(最寄り駅はどこですか?)」といった質問も、場所の特定に非常に役立ちます。
場所の説明を受ける際、相手が道順を説明し始めたら、落ち着いて聞き取りましょう。地図(Map)を持っている場合は、それを指差してもらうのが一番確実です。住所を書いてもらうときは「Could you write down the address?(住所を書いていただけますか?)」とお願いしてください。場所の情報が正確であればあるほど、その後の対応がスムーズになります。
【場所の聞き取りで役立つ語彙】
・Corner(角) / Intersection(交差点) / Traffic light(信号)
・Opposite to(?の向かい) / Next to(?の隣)
・Street / Avenue(通り)
次に、出来事がいつ起きたかを確認します。「When did it happen?(それはいつ起きましたか?)」という質問に対し、相手が「Just now.(たった今)」や「Ten minutes ago.(10分前)」のように答えるのを聞き取ります。正確な時間が不明な場合は「What time did you notice?(何時に気づきましたか?)」と、発見した時刻を尋ねるのも有効な手法です。
被害状況については、具体的に何が起きたのかを詳しく聞き出します。「What was taken?(何が盗られましたか?)」や「Was anyone hurt?(誰か怪我をしましたか?)」といった質問を重ねます。事件性が疑われる場合は「Did you see the person?(その人を見ましたか?)」と犯人の目撃情報を求めます。この際、犯人の特徴(Description)を詳しく聞くための準備をしておきましょう。
「How many people were involved?(何人が関わっていましたか?)」と聞くことで、単独犯か複数犯かを確認できます。また、「Did they have any weapons?(武器を持っていましたか?)」という質問は、現場の安全性を評価する上で極めて重要です。具体的な被害金額や損害の程度についても、無理のない範囲で質問を進め、メモに残していくことが求められます。
最後に、通報者や関係者の身元を確認します。「May I have your name, please?(お名前を伺えますか?)」と尋ねるのが一般的です。スペルが分からない場合は「How do you spell your name?(お名前の綴りはどうなりますか?)」と聞くと確実です。また、身分証明書(ID)の提示を求める際は「Could you show me your passport or ID card?(パスポートか身分証を見せていただけますか?)」と言います。
連絡先の確認も忘れてはいけません。「What is your phone number?(電話番号は何番ですか?)」や「Where are you staying?(どちらに滞在していますか?)」と尋ね、宿泊先のホテル名などを控えます。日本国内での連絡手段がない場合は、メールアドレスなどを聞くこともあります。これにより、後日追加で確認が必要になった際にもスムーズに連絡が取れるようになります。
身元確認の際、相手が自分の権利を心配することがあります。「This is a standard procedure.(これは通常の形式的な手続きです)」と一言添えることで、不必要な疑念を払拭できます。協力のお礼として「Thank you for your cooperation.(ご協力ありがとうございます)」と伝えることで、最後まで良好な関係を維持しながら情報の収集を終えることができます。

交番や警察署での通報対応で最も多いケースの一つが、財布やスマートフォンの紛失・盗難です。これらは外国人にとって旅の継続を左右する深刻な問題です。詳細な特徴を英語で聞き取り、遺失物届(Lost property report)を作成するためのフレーズを解説します。
紛失物を特定するために、まずは「What did you lose?(何を失くしましたか?)」と尋ねます。その回答に対して、「What color is it?(何色ですか?)」や「What brand is it?(どこのブランドですか?)」と具体化していきます。例えば財布であれば「Is it long or bi-fold?(長財布ですか、二つ折りですか?)」といった形状の質問も有効です。
色や形だけでなく、中身についても確認が必要です。「What was inside?(中に何が入っていましたか?)」と聞き、現金(Cash)の金額やクレジットカードの有無、鍵(Keys)などが含まれているかを確認します。スマートフォンの場合は「What model is it?(機種は何ですか?)」や、待ち受け画面(Wallpaper)の特徴を聞くことで、特定が非常に容易になります。
また、大きな特徴やキズ(Scratches)があるかも尋ねてみましょう。「Are there any distinguishing features?(何か際立った特徴はありますか?)」という質問は、似たような落とし物の中から本人特定をするための重要な手がかりになります。相手に絵を描いてもらう、あるいは似たような物の画像を見せてもらうといった工夫も、言葉の壁を越えるためには非常に効果的です。
| 項目 | 英語フレーズ | 意味 |
|---|---|---|
| 色 | What color is it? | それは何色ですか? |
| 形 | What shape is it? | それはどんな形ですか? |
| ブランド | What brand is it? | ブランド名は何ですか? |
| 中身 | What was inside? | 何が入っていましたか? |
もし紛失ではなく盗難(Theft)が疑われる場合は、より詳細な聞き取りが必要です。「Where did you last have it?(最後にそれを持っていたのはどこですか?)」と聞き、紛失に気づく直前の行動を把握します。スリ(Pickpocket)に遭った可能性がある場合は「Did you notice anyone suspicious?(誰か不審な人に気づきましたか?)」と尋ねてください。
不審者(Suspicious person)の目撃情報がある場合は、その特徴を詳しく聞きます。「Was it a man or a woman?(男性でしたか、女性でしたか?)」、「How tall were they?(身長はどのくらいでしたか?)」、「What were they wearing?(何を着ていましたか?)」といった質問を矢継ぎ早にならないよう注意しながら進めます。年齢層を聞く際は「How old did they look?(何歳くらいに見えましたか?)」と言います。
犯人が立ち去った方向も重要です。「Which way did they go?(どちらの方向へ行きましたか?)」と尋ね、必要であれば即座に無線で手配を行います。防犯カメラ(Security camera)の有無についても確認し、現場付近の状況を精査します。盗難の場合は被害者のショックも大きいため、「We will do our best to find it.(見つけられるよう最善を尽くします)」と励ますことも大切です。
届け出の受理が終わったら、今後の流れを説明します。「I have registered your lost property.(遺失物の登録をしました)」と伝え、受理番号(Reference number)を渡します。この番号は非常に重要なので、「Please keep this number.(この番号を失くさないでください)」と念を押しましょう。後日問い合わせる際に必要になることを説明します。
もし見つかった場合の連絡方法についても伝えます。「We will contact you if we find it.(見つかったら連絡します)」と言い、電話かメールのどちらが良いか確認します。また、クレジットカードを紛失している場合は「You should call your credit card company to cancel your cards.(カード会社に連絡して、利用を止めてもらうべきです)」とアドバイスしてあげると親切です。
海外旅行保険の請求に証明書が必要な場合は、「Do you need a copy of the report for insurance purposes?(保険のために届出の控えが必要ですか?)」と確認してください。日本の警察ではその場ですぐに発行できない書類もあるため、何ができるかを正確に伝えます。最後に「Have a safe trip.(安全な旅を)」と送り出すことで、警察官に対するポジティブな印象を残すことができます。
ヒント:遺失届の英訳フォーマットを用意しておくと、必要事項を記入してもらうだけで済むため効率的です。また、「Find My iPhone」などの追跡アプリを相手が使えないか確認するのも、現代の通報対応では非常に役立つ手法です。
交通事故の現場では、情報の正確性に加えて「緊急性」と「安全確保」が最優先されます。動揺している当事者に対して、警察官がリーダーシップを持って指示を出すためのフレーズを紹介します。
事故現場に到着したら、まず何よりも先に怪我人の確認を行います。「Are you injured?(怪我をしていますか?)」と大きな声で、かつ落ち着いて尋ねましょう。もし怪我をしている場合は「Where does it hurt?(どこが痛みますか?)」と確認します。出血や骨折など、見た目で判断できる場合でも、本人の意識状態を確認するために問いかけを続けることが重要です。
救急車が必要な場合は「I will call an ambulance.(救急車を呼びます)」と宣言してください。相手が拒否する場合でも、明らかに治療が必要な場合は「It is better to be checked by a doctor.(医師の診察を受けるのが望ましいです)」と説得します。救急隊が到着するまでの間、「Don't move.(動かないで)」や「Stay with me.(しっかりしてください)」といった声掛けで、容態の悪化を防ぎます。
目撃者に対しても「Did you see how the accident happened?(事故がどのように起きたか見ましたか?)」と状況を確認します。二次被害を防ぐため、怪我人を安全な場所に移動させる必要がある場合は「Can you move?(動けますか?)」と聞き、無理をさせないようサポートします。命に関わる場面だからこそ、簡潔で力強い英語が必要になります。
状況が落ち着いたら、事故処理のための書類確認を行います。「May I see your driver's license?(運転免許証を見せていただけますか?)」と伝え、国際免許(International Driving Permit)か日本の免許かを確認します。レンタカーの場合は「Do you have the rental agreement?(レンタカーの契約書はありますか?)」という質問も必要になります。
保険情報の確認も重要です。「Do you have car insurance?(自動車保険に入っていますか?)」と聞き、保険会社(Insurance company)の連絡先などをメモします。外国人の場合、自国の保険と日本の保険の違いを理解していないことも多いため、丁寧に確認作業を進めます。書類を預かる際は「I will return these shortly.(すぐにお返しします)」と伝え、紛失の不安を与えないようにしましょう。
車両の損傷箇所についても一緒に確認します。「Let's check the damage to your car.(車の損傷をチェックしましょう)」と言い、写真を撮るなどして記録に残します。この際、相手が相手方と直接交渉しようとすることがありますが、「Please talk to your insurance company.(保険会社と話してください)」と伝え、現場でのトラブルを未然に防ぐのが警察官の役割です。
事故現場では、他の車両による二次事故を防ぐための指示が不可欠です。「Please step away from the car.(車から離れてください)」や「Move to the sidewalk, please.(歩道へ移動してください)」といった指示を明確に出します。複数の人がいる場合は、指を差して一人ひとりに指示を出すと混乱が少なくなります。
交通規制を行う際は「Please stop here.(ここで止まってください)」や「Follow my instructions.(私の指示に従ってください)」というフレーズを使います。相手がなぜ止められているのか不満そうな場合は「There was an accident ahead.(この先で事故がありました)」と簡潔に理由を説明します。協力をお願いする姿勢を示しつつも、毅然とした態度で臨むことが求められます。
最後に、事故の実況見分が終わるまで待機をお願いします。「We need to take some photos and measurements.(写真撮影と計測を行う必要があります)」と説明し、「It will take about 30 minutes.(30分ほどかかります)」と目安の時間を伝えます。現場での通報対応を完結させるためには、最後まで指示が行き届いていることが重要になります。
【事故現場での指示フレーズ】
・Stay behind the line.(線の後ろに下がってください。)
・Watch out!(気をつけて!)
・Please do not take photos.(写真は撮らないでください。)
通報対応の延長線上として、不審者への職務質問や、現場の混乱を鎮めるための命令的な表現が必要になる場面もあります。威圧的になりすぎず、かつ法的根拠に基づいた指示を英語で伝えるテクニックを学びましょう。
歩いている人に声をかける際は、唐突すぎると驚かせてしまいます。「Excuse me, sir/ma'am.(すみません)」と丁寧に呼びかけ、「May I talk to you for a moment?(少しお話しよろしいですか?)」と職務質問を始めます。もし相手が立ち去ろうとする場合は「Please stop.(止まってください)」とはっきり伝えます。
相手を特定の場所に移動させたいときは「Could you come this way?(こちらへ来ていただけますか?)」と言います。通行の邪魔になっている場合は「You are blocking the way.(道を塞いでいます)」と指摘し、脇へ避けるよう促します。これらの表現は、命令(Command)というよりも、公務への協力を求める「お願い(Request)」の形をとるのが日本の警察スタイルには合っています。
立ち止まった後、質問の理由を尋ねられたら「We are conducting a routine check.(定期的な検問を行っています)」や「There was a report of a crime nearby.(近くで事件の通報がありました)」と答えます。不当な差別(Discrimination)でないことを理解してもらうためにも、冷静な説明が欠かせません。相手の同意を得ながら進めるのが基本です。
所持品検査が必要な場合、「May I check your bags?(カバンの中を拝見してもよろしいですか?)」と尋ねます。いきなり手を触れるのではなく、まずは言葉で同意を求めることがトラブル回避に繋がります。拒否された場合は「It's for safety reasons.(安全上の理由です)」と、必要性を改めて強調します。
ポケットの中身を確認したいときは「What is in your pocket?(ポケットには何が入っていますか?)」や「Empty your pockets, please.(ポケットの中身を空にしてください)」という指示を出します。この際、刃物などの危険物(Dangerous items)がないか十分に注意してください。「Do you have anything dangerous?(何か危険なものを持っていますか?)」という質問は、安全確保のために必須です。
検査中に見つけたものについて説明を求める際は「What is this?(これは何ですか?)」と聞き、相手の反応を観察します。正当な理由がある場合は「I see, thank you.(分かりました、ありがとう)」と返し、不審な点がある場合は「I need to check this further.(これをさらに詳しく調べる必要があります)」と伝え、次のステップへと進みます。
補足:職務質問(Patrol questions)において、相手が激しく拒否したり攻撃的になったりした場合は、応援を呼びつつ、無理な実力行使は避けて状況を維持することが鉄則です。英語での警告が必要な場合は、短く鋭い言葉を使います。
危険な行為をしている人に対しては、強い口調での警告が必要になることがあります。「Stop!(止まれ!)」や「Don't do that!(それはするな!)」といった短いフレーズは、緊急時に即座に意図を伝えることができます。騒音などで近隣に迷惑をかけている場合は「You are being too loud.(声が大きすぎます)」と注意します。
立ち入り禁止区域に人が入りそうなときは「Keep out!(立ち入り禁止です!)」や「No entry!(入れません!)」と警告します。具体的な罰則について触れる場合は「This is a violation of the law.(これは法律違反です)」とはっきり伝えます。ただし、不必要な反発を招かないよう、まずは「Please cooperate with us.(協力してください)」と促すのが賢明です。
最後に、指示に従ってくれたことに対しては「Thank you for your understanding.(ご理解ありがとうございます)」と一言添えましょう。警察官としての厳格さと、一人の人間としての礼儀正しさを両立させることが、国際化する日本の治安維持には不可欠です。適切な英語フレーズを武器に、冷静沈着な通報対応を心がけましょう。
ヒント:警告をする際は、言葉だけでなく「手のひらを向ける(ストップのジェスチャー)」などの視覚的なサインを併用すると、騒音下や遠距離でも意思が伝わりやすくなります。

ここまで、警察官が通報対応で遭遇するさまざまな場面に応じた英語フレーズを紹介してきました。現場で最も大切なのは、流暢に話すことではなく、「相手を落ち着かせ、正確な情報を引き出し、安全を確保すること」です。そのために必要なのは、シンプルで聞き取りやすい表現を、自信を持って使うことです。
通報対応の基本となる「Police. How can I help you?」から始まり、5W1Hを特定する質問、そして事故や遺失物における具体的な聞き取りまで、今回学んだフレーズを繰り返し口に出して練習してみてください。また、言葉の壁を感じたときは、ためらわずに通訳サービスや翻訳ツール、身振り手振りを活用しましょう。完璧な文法を目指すよりも、意図が伝わることの方が現場では遥かに重要です。
警察官としての職務を遂行する中で、英語は強力なツールとなります。外国人の方々にとって、異国の地で出会う警察官は非常に頼もしい存在です。あなたの温かい声掛け一つで、彼らの不安が解消されることもあります。この記事で紹介した英語フレーズを日々の公務に取り入れ、より安心・安全な社会づくりに貢献していきましょう。