海外のレストランでアレルギーの伝え方をマスターして安全に食事を楽しむ方法

海外のレストランでアレルギーの伝え方をマスターして安全に食事を楽しむ方法

 

海外旅行の大きな楽しみの一つは、現地の美味しい料理を堪能することです。しかし、食物アレルギーをお持ちの方にとって、言葉の通じない環境での外食は不安がつきものですよね。せっかくの旅行中にアレルギー症状が出てしまうと、楽しい思い出が台無しになってしまいます。

 

海外のレストランでアレルギーを正確に伝えるには、単に単語を知っているだけでなく、相手に重要性を理解してもらうための具体的なフレーズや準備が不可欠です。この記事では、レストランで役立つ英語表現から、事前に準備しておくべきツールまで、やさしく丁寧に解説します。

 

アレルギー情報を正しく共有できれば、海外のスタッフも親身になって対応してくれることが多いです。安全に、そしてスマートに食事を楽しむためのコツを身につけて、自信を持って海外のレストランへ出かけましょう。この記事があなたの安心な旅を支える一助となれば幸いです。

 

海外のレストランでアレルギーの伝え方をマスターする基礎フレーズ

 

海外のレストランでアレルギーを伝える際、最も大切なのは「曖昧さを残さないこと」です。日本語では「〇〇は苦手です」といった控えめな表現をすることもありますが、海外では命に関わる情報として、はっきりと主張する必要があります。ここでは、基本となる型を覚えましょう。

 

「私は〜アレルギーです」を伝える基本の型

 

まずは最もシンプルで伝わりやすい「I am allergic to...」というフレーズを覚えましょう。この後ろにアレルゲンとなる食材を置くだけで、自分がアレルギーを持っていることを即座に伝えられます。

 

例えば、卵アレルギーであれば「I am allergic to eggs.」となります。複数形で言うのが一般的ですので、食材名は複数形にするよう意識してください。また、「I have a/an ... allergy.」という表現もよく使われます。こちらは「ピーナッツアレルギーを持っています(I have a peanut allergy.)」のように使います。

 

どちらの表現を使っても間違いではありませんが、「Allergic(アレルギーがある状態)」という形容詞と「Allergy(アレルギーという名詞)」を混同しないように注意しましょう。店員さんが忙しい時でも、この一言をはっきり伝えるだけで、注意を引くことができます。

 

重症度や除去の必要性を強調する表現

 

単にアレルギーがあると言うだけでは、好き嫌いの延長だと誤解されるリスクがゼロではありません。特にアナフィラキシーなどの深刻な症状が出る場合は、その重要性を強調する必要があります。

 

「It is a severe allergy.(重度のアレルギーです)」や「It is life-threatening.(命に関わります)」といったフレーズを付け加えると、お店側の緊張感が変わります。また、調理器具の共有による微量混入を避けたい場合は、「Even a small amount is dangerous.(少量でも危険です)」と伝えると効果的です。

 

また、「Please make sure there is no...(絶対に〜が入っていないようにしてください)」と念押しすることも大切です。海外では自分の身を守るために、「これは好みの問題ではなく、医療上の問題である」というスタンスをはっきり示すことが、安全な食事への近道となります。

 

【強調したい時に使える一言】
I have a severe allergy to peanuts. Can you ensure no cross-contamination?
(ピーナッツに重度のアレルギーがあります。混入がないか確認いただけますか?)

 

「これには〜が入っていますか?」と確認する聞き方

 

注文したいメニューが決まったら、具体的に食材が含まれていないかを確認しましょう。基本の聞き方は「Does this dish contain...?(この料理には〜が含まれていますか?)」です。

 

例えば、小麦アレルギーの方がパスタ以外の料理を頼む際にも「Does this contain wheat?」と聞くことで、ソースのつなぎなどに使われていないかを確認できます。また、より広い意味で「Is this dairy-free?(これは乳製品不使用ですか?)」のように「〜フリー」という言葉を使うのも便利です。

 

店員さんが「たぶん入っていないと思う」と曖昧な返事をした場合は、「Could you please check with the chef?(シェフに確認していただけますか?)」と依頼してください。フロアスタッフだけでなく、実際に調理する人に確認してもらうことが最も確実な防衛策となります。

 

食材別の名称リスト!間違いやすいアレルギー単語の英語表記

 

アレルギーを伝える際には、食材の正確な英語名を知っておくことが欠かせません。日本語での呼び方と英語での呼び方が大きく異なるものや、特定のグループを指す単語などは特に注意が必要です。代表的なアレルゲンの英語表記を整理しておきましょう。

 

卵・乳製品・小麦など主要なアレルゲン

 

最も頻度の高いアレルゲンについて、正しい単語を確認します。卵は「Eggs」、乳製品は「Dairy(デイリー)」または「Milk products」と呼びます。単に「Milk」と言うと牛乳だけを指すと捉えられることもあるため、チーズやバターも含めたい場合は「Dairy」を使うのがスムーズです。

 

小麦は「Wheat」ですが、グルテンフリーを希望する場合は「Gluten」という言葉もよく使われます。また、大豆は「Soy」です。これらは加工食品の原材料として含まれていることが多いため、メニューに明記されていない場合でも確認が必要です。

 

【主要アレルゲンの英語リスト】
・Eggs(卵)
・Dairy / Milk products(乳製品)
・Wheat(小麦)
・Soy(大豆)
・Buckwheat(そば)

 

ピーナッツ・ナッツ類の種類と区別

 

ナッツアレルギーの場合、どの種類のナッツがダメなのか、あるいは全てのナッツがダメなのかを明確にする必要があります。英語では「Tree nuts」という表現があり、これは木の実(クルミ、カシューナッツ、アーモンドなど)全般を指します。

 

一方で、ピーナッツは厳密には豆類に分類されるため、「Nuts」と言っただけではピーナッツが含まれてしまう(あるいはその逆)という誤解が生じることがあります。もし全てのナッツ類を避けたいのであれば、「I am allergic to all kinds of nuts, including peanuts.」と言うのが最も安全です。

 

具体的に特定のナッツだけがダメな場合は、「Walnuts(クルミ)」「Cashews(カシューナッツ)」「Hazelnuts(ヘーゼルナッツ)」のように、個別の名称を正確に伝えるようにしましょう。デザートのトッピングやソースに隠れていることが多いので注意が必要です。

 

魚介類・甲殻類の具体的な呼び方

 

魚介類のアレルギーも、範囲が広いため伝え方に工夫が必要です。魚全般は「Fish」ですが、エビやカニなどの甲殻類は「Shellfish」と呼びます。この「Shellfish」には、貝類(Clams, Mussels, Scallops)も含まれるのが一般的です。

 

特定の魚にだけ反応する場合は、その魚の名前を伝えます。例えばサケなら「Salmon」、マグロなら「Tuna」です。しかし、調理器具を共有している可能性を考えると、シーフード全般を避けたい場合は「Seafood」という言葉を使うのが分かりやすいでしょう。

 

出汁(フィッシュストック)として使われている場合もあるため、「Is there any fish stock in this soup?(このスープに魚の出汁は入っていますか?)」という確認も有効です。特にアジア料理や地中海料理では、隠し味として魚介が使われることが多々あります。

 

隠れたアレルゲンを見抜くための単語

 

メニュー名からは想像できない食材が使われていることもあります。例えば、ゴマは「Sesame」ですが、中東料理の「Tahini(タヒニ)」というペーストはゴマが主原料です。このような別名を知っておくと、より安全に食事を選べます。

 

また、セロリ(Celery)やマスタード(Mustard)も、欧州などでは主要なアレルゲンとして表示義務があるほど一般的です。日本ではあまり意識されない食材が海外では頻繁に使われることもあるため、自分が反応する可能性のある食材は漏れなくリストアップしておきましょう。

 

海外のメニュー表には、アレルゲンを示すアイコンが記載されていることがあります。「V(Vegan)」「GF(Gluten-Free)」「DF(Dairy-Free)」などの略称を覚えておくと、自分でメニューを絞り込む際に非常に役立ちます。

 

スムーズなやり取りを助ける!アレルギーカードと事前準備

 

英会話に自信がない場合や、発音が正しく伝わるか不安な場合に強力なサポートとなるのが「アレルギーカード」です。これは自分のアレルギー情報を現地の言葉で記したカードのことで、言葉の壁を越えて確実な情報を伝えることができます。

 

言語の壁を越える「アレルギーカード」の作り方

 

アレルギーカード(シェフカードとも呼ばれます)には、単にアレルゲンを書くだけでなく、「それを食べるとどうなるか」「何に気をつけてほしいか」を簡潔に記載します。文字だけでなく、食材のイラストに禁止マーク(×印)を添えると、一目で理解してもらえます。

 

カードに記載すべき内容は、「私は〇〇に深刻なアレルギーがあります」「この食材や、これに触れた器具を使用しないでください」「もし食べてしまったら救急車が必要です」といった項目です。これを現地の言葉に翻訳して印刷しておきましょう。

 

最近では、オンラインで各言語のアレルギーカードを無料で作成・ダウンロードできるサービスもあります。スマートフォンに画像を保存しておくだけでなく、紙にプリントアウトして数枚持ち歩くのがおすすめです。店員さんがキッチンに持って行ってシェフに見せることができるからです。

 

予約時や入店時に伝えるべきタイミング

 

アレルギー情報は、できるだけ早い段階で伝えるのがベストです。レストランを予約する場合は、予約フォームの備考欄や電話で必ず「One of us has a severe food allergy.」と伝えておきましょう。事前に知らされていれば、お店側も代わりのメニューを検討しやすくなります。

 

予約なしで入店する場合は、席に案内される前、あるいはメニューを渡された直後に伝えましょう。注文が終わってから「実はアレルギーがあるんです」と言うと、キッチンが既に調理を始めてしまっている可能性があり、トラブルの元になります。

 

また、着席した際に担当のウェイターにカードを見せるのが最もスムーズです。「I have food allergies. Please show this card to the chef.(アレルギーがあります。このカードをシェフに見せてください)」と言ってカードを渡せば、間違いが起こる確率を大幅に下げられます。

 

メニューの事前チェックと公式HPの活用法

 

現代の旅行では、インターネットを活用した事前リサーチが欠かせません。多くのレストランは公式サイトにメニューを掲載しており、中には詳細なアレルゲン情報(Allergy Chart)を公開しているところもあります。事前に候補のお店を絞っておくだけで、当日の不安は大きく解消されます。

 

また、口コミサイト(TripAdvisorやYelpなど)で「allergy friendly」や「gluten free」といったキーワードで検索すると、アレルギー対応が良いお店を見つけることができます。実際にアレルギーを持つ人が投稿した体験談は、非常に信頼できる情報源となります。

 

もし公式情報が不十分な場合は、事前にメールで問い合わせるのも一つの手です。「Do you have a nut-free menu?(ナッツ不使用のメニューはありますか?)」といった簡単な英文で構いません。丁寧な返信をくれるお店は、当日も安心して食事ができる可能性が高いと言えるでしょう。

 

最近はGoogle翻訳などのカメラ翻訳機能も進化しています。メニューにスマホをかざすだけで原材料を推測できるため、補助ツールとして活用しましょう。ただし、誤翻訳のリスクもあるため、必ず最終的には店員さんに口頭やカードで確認してください。

 

海外のレストラン文化とアレルギーへの対応力について

 

国や地域によって、アレルギーに対する意識や対応の仕方は異なります。日本のレストランでの対応を基準にしてしまうと、思わぬギャップに戸惑うこともあるかもしれません。海外の食習慣や文化的な背景を知っておくことで、より冷静に対応できるようになります。

 

欧米諸国におけるアレルギーへの理解度

 

一般的に、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏や欧州諸国では、食物アレルギーに対する社会的な認識が非常に高いです。多くのレストランではスタッフがアレルギー対応のトレーニングを受けており、マニュアル化されていることも珍しくありません。

 

これらの国々では、アレルギーを伝えることは「特別なわがまま」ではなく、「当然の権利」として受け入れられます。そのため、遠慮せずにハッキリと伝えることが推奨されます。むしろ、何も言わずに後から問題が起きることをお店側は最も嫌がります。

 

一方で、高級店ほど対応が丁寧である傾向はありますが、ファストフード店であってもアレルゲン情報の開示が義務付けられていることが多いです。このように「アレルギー対応はレストランの義務である」という考え方が浸透している国では、比較的安心して食事を楽しむことができます。

 

コンタミネーション(混入)のリスク確認

 

日本でも意識が高まっていますが、海外では「Cross-contamination(コンタミネーション)」、つまり調理過程での意図しない混入に対して非常に敏感なゲストが多いです。例えば、同じ油で揚げたものや、同じまな板を使った料理を避ける必要があるかどうかです。

 

「Is this prepared in a separate area?(これは別の場所で調理されていますか?)」や「Is the frying oil shared with other foods?(揚げ油は他の食材と共有していますか?)」といった質問は、深刻なアレルギーを持つ人にとっては一般的です。お店側も「100%の保証はできない」と正直に答えてくれることがあります。

 

もし混入リスクを完全にゼロにできないと言われた場合は、そのメニューを諦める勇気も必要です。自分のアレルギーのレベルに合わせて、どの程度の混入まで許容できるかをあらかじめ把握し、それを正確に相手に伝えるコミュニケーションが求められます。

 

【混入について確認する際の表現】
I need to avoid cross-contamination. Are separate utensils used for this dish?
(混入を避ける必要があります。この料理には専用の器具が使われていますか?)

 

ベジタリアン・ヴィーガン表記との違い

 

海外のメニューでよく見かける「V(Vegetarian)」や「VG(Vegan)」のマークは、アレルギー対応とは目的が異なります。ヴィーガン表記があれば乳製品や卵は含まれませんが、それはあくまで主義やライフスタイルに基づいたものであり、アレルギー用の徹底した洗浄が行われている保証ではありません。

 

例えば、ナッツアレルギーの人が「ヴィーガン料理なら安心だ」と思って注文しても、ヴィーガン料理には代用食材としてナッツが多用される傾向があります。そのため、食事制限の表記があっても、自分のアレルギーについては別途必ず伝える必要があります。

 

宗教上の理由(ハラールやコーシャなど)による制限も同様です。これらは「入っていない食材」を保証するものではあっても、アレルギーとしての安全性とは別次元の話であることを忘れないでください。常に自分のアレルゲンに焦点を当てた確認を怠らないようにしましょう。

 

万が一の症状が出た時に使える緊急時の英語フレーズ

 

細心の注意を払っていても、予期せぬ事態でアレルギー症状が出てしまう可能性はゼロではありません。万が一の際にパニックにならず、周囲に助けを求めるための英語フレーズを覚えておくことは、自分自身の命を守ることにつながります。

 

自分の体調異変を周囲に知らせる表現

 

異変を感じたら、すぐに周囲に伝えましょう。「I don't feel well.(気分が悪いです)」だけでは緊急性が伝わりにくいので、「I'm having an allergic reaction.(アレルギー反応が出ています)」とはっきり口にする必要があります。

 

具体的な症状を伝える単語もいくつか知っておくと役立ちます。「I can't breathe.(息ができません)」「My throat is closing.(喉が塞がってきそうです)」「I feel dizzy.(めまいがします)」などは、事態の深刻さを伝える強い表現です。

 

意識が朦朧としてくる前に、近くの店員さんや同行者に状況を伝えてください。言葉が出ない時のために、アレルギーカードの裏面に「緊急時の指示」を書いておくのも良いアイデアです。何をすべきかが明確であれば、周囲の人も迷わずに動くことができます。

 

救急車の要請や薬の助けを求める言葉

 

重篤な症状の場合は、迷わず救急車を呼んでもらう必要があります。「Please call an ambulance!(救急車を呼んでください!)」は最も重要なフレーズです。海外では救急車の番号が日本と異なるため、自分で呼ぶよりも周囲に頼む方が確実です。

 

エピペンなどの自己注射薬を携行している場合は、その存在を知らせます。「I have an EpiPen in my bag.(バッグの中にエピペンがあります)」「Please help me use it.(使うのを手伝ってください)」といったフレーズが有効です。

 

また、過去に同じ症状が出たことがある場合は「This has happened before.(前にもこれがありました)」と伝えると、状況判断の助けになります。緊急時は言葉を尽くすよりも、短くはっきりとした単語で、強い口調で助けを求めることが大切です。

 

【緊急時に叫ぶフレーズ】
Emergency! I'm having an anaphylactic shock!
(緊急事態です!アナフィラキシーショックが起きています!)
Please call for help immediately!
(すぐに助けを呼んでください!)

 

現地の緊急連絡先を確認しておく重要性

 

渡航先の緊急電話番号(日本での119番に当たるもの)は、必ず事前に確認してメモしておきましょう。例えばアメリカやカナダは「911」、イギリスや多くのEU諸国は「999」や「112」といった具合に、国によって異なります。

 

また、滞在先近くの総合病院や、日本語が通じるクリニックの場所も把握しておくと安心です。海外旅行保険に加入している場合は、保険会社の緊急サポートダイヤルを電話帳に登録しておきましょう。彼らは医療通訳や病院の手配をサポートしてくれる心強い味方になります。

 

アレルギーがあるからといって海外旅行を諦める必要はありませんが、「最悪の事態」を想定して備えておくことが、結果として心に余裕を生み、旅を楽しむことにつながります。万全の準備があれば、もしもの時も冷静に対処できるはずです。

 

国・地域 緊急通報番号(救急)
アメリカ・カナダ 911
イギリス 999 / 112
EU加盟国(多く) 112
オーストラリア 000

 

まとめ:海外のレストランでアレルギーを伝え安全に食事を楽しむために

 

海外のレストランでアレルギーを伝えることは、自分の安全を守るための最も重要なコミュニケーションです。まずは「I am allergic to...」という基本フレーズを使いこなし、曖昧さを排除して正確に情報を共有することを心がけましょう。遠慮は禁物であり、ハッキリと主張することが現地のスタイルです。

 

また、言葉だけでなく「アレルギーカード」のような視覚的ツールを準備しておくことで、より確実に意志を伝えることができます。事前にお店の情報をリサーチし、アレルギーに対する意識が高い国や地域の特徴を理解しておくことも、不安を解消するための大きなポイントです。

 

万が一のトラブルに備えて、緊急時のフレーズや連絡先を確認しておくことも忘れないでください。これら事前の準備と、現場でのスマートな伝え方を実践すれば、海外での食事は決して怖いものではありません。美味しい料理を安全に楽しみ、素晴らしい海外旅行の思い出を作ってくださいね。