TOEIC Listening & Reading Testは、120分間で200問という膨大な問題を解き進める非常にハードな試験です。1秒の遅れが命取りになるこの試験において、意外と軽視できないのが「筆記用具選び」です。多くの受験者が「TOEICのマークシートには鉛筆とシャーペン、どちらが適しているのか」という疑問を抱いています。
結論から言うと、自分に合った道具を選ぶことで、マークにかかる時間を数分単位で短縮することが可能です。本記事では、TOEICマークシートにおける鉛筆vsシャーペンのメリット・デメリットを徹底比較し、スコアアップを後押しする最適な文房具の選び方をご紹介します。英語上達方法ガイドとして、試験当日に最高のパフォーマンスを発揮するための秘訣をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
TOEICを受験する際、多くの人が最初に悩むのが「鉛筆で行くか、シャーペンで行くか」という問題です。公式テストの案内では「HBの鉛筆(またはシャープペンシル)」と記載されていますが、実は効率の面で大きな差が出ます。
TOEICのマークシートを塗る際、最も多くのプロ講師や高得点者が推奨するのが「鉛筆」です。その最大の理由は、芯の太さと柔らかさにあります。鉛筆は使い続けるうちに芯の先が丸くなり、一度のストロークで塗れる面積が広がります。
TOEICは全部で200個の楕円を塗りつぶす必要があります。一般的な0.5mmのシャーペンだと、楕円を埋めるために何度も手を動かさなければなりませんが、少し丸まった鉛筆なら2?3回往復させるだけで綺麗に塗りつぶせます。この「1箇所あたりの数秒の差」が、200問積み重なると非常に大きな余裕を生むのです。
また、鉛筆は構造が単純なため、試験中に「芯が詰まる」「内部で故障する」といったメカニカルトラブルが起きる心配がありません。精神的な安心感を得られるという点でも、鉛筆は非常に優れた選択肢といえます。
一方で、最近人気が高まっているのが「マークシート専用」として販売されている1.3mmなどの太芯シャーペンです。これらは鉛筆の「塗りやすさ」と、シャーペンの「持ちやすさ・利便性」を兼ね備えています。
太芯シャーペンのメリットは、常に一定の太さで塗れることです。鉛筆のように「削る」という手間が必要なく、ノックするだけで常に最適な太さの芯が出てきます。また、多くのシャーペンはグリップ部分にラバー加工が施されており、長時間握っていても手が疲れにくい設計になっています。
普段からシャーペンを使い慣れている学習者にとっては、鉛筆独特の「短くなっていく感覚」や「重心の変化」がストレスになることがあります。そのような方にとっては、使い慣れた形状でマーク効率も高い太芯シャーペンが最良のパートナーになるでしょう。
鉛筆とシャーペン、それぞれの特徴を整理してみましょう。自分の筆圧や好みに合わせて選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 鉛筆(HB/B/2B) | 太芯シャーペン(1.3mm) | 一般シャーペン(0.5mm) |
|---|---|---|---|
| マーク速度 | 非常に速い(丸まると最強) | 非常に速い(安定している) | 遅い(何度も動かす必要あり) |
| メンテナンス | 削る必要がある | 芯を補充するだけ | 芯を補充するだけ |
| トラブル耐性 | 非常に高い | 稀に芯詰まりがある | 芯が折れやすい |
| 握りやすさ | 細めで滑りやすい場合も | グリップ付きが多く疲れにくい | 慣れているが疲れやすい |
このように比較すると、「マークの速さ」を優先するなら鉛筆か太芯シャーペンの二択になることがわかります。通常の0.5mmシャーペンは、リーディングセクションの解答時間を削ってしまうリスクがあるため、あまりおすすめできません。
TOEICの試験要項には「HBの鉛筆(またはシャープペンシル)」と明記されています。基本的にはどちらを使っても違反にはなりませんが、いくつか注意点があります。
例えば、過度に太い「2.0mm芯」などのホルダーペンを使用する場合、会場の試験官によっては確認が入ることが稀にあります。もちろんルール上は問題ないことがほとんどですが、試験直前に不安な気持ちにならないよう、一般的な事務用やマークシート用のものを選ぶのが無難です。
また、芯の濃さについても注意が必要です。最近のマークシート読取機は非常に高性能ですが、HBより薄い芯(Hや2H)だと、機械が正しく読み取れずに失点してしまうリスクがゼロではありません。必ずHB、B、2Bのいずれかを使用するようにしましょう。
鉛筆派の受験者にとって、どの鉛筆を選ぶかは戦略の一つです。ただ家にある鉛筆を持っていくのではなく、TOEIC専用の布陣を整えることで、試験中のストレスを大幅に軽減できます。
TOEIC公式はHBを推奨していますが、実際には「B」または「2B」の鉛筆を使う受験者が非常に多いです。その理由は、芯が柔らかいため、軽い力で濃く塗れるからです。
試験後半、リーディングセクションで疲れが見えてきた時間帯でも、2Bのような柔らかい芯なら最小限の労力でマークを完了できます。逆にHBは芯が硬いため、しっかり塗りつぶすにはある程度の筆圧が必要です。筆圧が弱い方や、マーク時間を極限まで削りたい方は、2Bを試してみる価値があります。
ただし、2Bは芯が柔らかい分、手が擦れた時に解答用紙を汚しやすいというデメリットもあります。消しゴムで消す際も少し跡が残りやすいため、丁寧にマークする習慣がある人に向いています。自分の筆圧に合わせて、HBと2Bの間をとって「B」を選ぶのも賢い選択です。
芯の濃さによる違いのまとめ
・HB:芯が硬く、折れにくい。消しやすいが、塗るのに少し力が必要。
・B:硬さと柔らかさのバランスが良い。多くの受験者に適している。
・2B:非常に柔らかく、軽い力で塗れる。塗りつぶしのスピードは最速。
TOEIC本番に持っていく鉛筆は、ピンピンに尖らせてはいけません。尖った鉛筆は細かい文字を書くのには適していますが、マークシートを塗りつぶすのには不向きです。
新品の鉛筆を削った後、いらない紙などで芯の先を少し丸めておくのがプロのテクニックです。先端を平らにしたり、斜めに少し削ったりしておくことで、一塗りでマークの面積の半分以上をカバーできるようになります。
この準備をしておくだけで、一つのマークを塗るのにかかる「グルグル」という回数が劇的に減ります。200問分、この「丸い芯」で挑むアドバンテージは計り知れません。削りたての鋭い鉛筆は、むしろリスニング中にメモを取る時用として一本用意しておくと良いでしょう。
試験中に鉛筆を削る時間は一秒もありません。トラブルを想定して、最低でも3本?5本の鉛筆を準備しておくべきです。
1本は予備、もう1本は芯が折れた時のバックアップ、さらに別の1本はより丸くなったもの、といった具合に使い分けます。また、TOEICでは解答用紙の横に受験番号や氏名を記入する欄があります。そうした細かい文字を書く時のために、1本だけは少し尖ったものを用意しておくと安心です。
鉛筆が机から転がり落ちてしまうトラブルもよくあります。予備が十分にあれば、落とした鉛筆を拾うことに必死になって時間をロスしたり、試験官を呼んで中断したりする必要もなくなります。文房具への安心感は、試験中の集中力を維持するために不可欠です。
鉛筆のキャップについても考えておきましょう。試験開始前まではキャップをつけて芯を保護し、試験が始まったら全て外してすぐに手に取れる状態にするのがスムーズです。
「鉛筆は削るのが面倒だし、使い続けると長さが変わるのが苦手」という方には、マークシート専用に開発されたシャーペンがおすすめです。これらは一般的なシャーペンとは全く別物と考えるべきです。
多くのTOEIC受験者が「最強の武器」として挙げるのが、芯径1.3mmのシャーペンです。一般的なシャーペンが0.5mmであることを考えると、その太さは2倍以上です。
1.3mmという太さは、マークシートの楕円の幅に非常に近いため、上下に1?2往復させるだけでマークが完了します。この圧倒的なスピード感は、一度体験すると元には戻れません。鉛筆のように「使っているうちに太さが変わる」ことがないため、最初から最後まで同じリズムでマークし続けられるのが最大の利点です。
ぺんてるなどのメーカーから「マークシートシャープ」という名称で販売されており、価格も数百円と手頃です。試験用の特別な道具を用意することで、「今日は本番だ」というスイッチを入れる効果も期待できます。
太芯シャーペンの主なメリット
・1.3mmの極太芯により、マーク速度が劇的に向上する。
・芯を出すだけで常に最高のコンディションを維持できる。
・ラバーグリップなどで握りやすく、長時間の試験でも手が痛くなりにくい。
・鉛筆を何本も削る準備の手間が省ける。
普段の学習や仕事で使い慣れているからといって、0.5mmのシャーペンでTOEIC本番に挑むのはあまり賢明ではありません。最大の理由は「塗りつぶしに時間がかかりすぎる」からです。
0.5mmの細い芯でマークシートを真っ黒に塗ろうとすると、何度も円を描くように手を動かす必要があります。また、筆圧が強い人の場合、細い芯はポキポキと折れやすく、その度にノックをして芯を出す動作がタイムロスになります。さらに、芯の先端が鋭利なため、解答用紙の紙面を傷つけてしまい、消しゴムで消しにくくなるというリスクもあります。
「たかがマーク」と思うかもしれませんが、Part5の短文穴埋め問題などでは、1問を20秒程度で解くことが求められます。そのうちの数秒をマークに費やすのは非常にもったいないことです。道具のせいで思考を中断させられないよう、細いシャーペンは避けるのが鉄則です。
シャーペンを使用する場合、最も恐ろしいのが「試験中のトラブル」です。芯がなくなる、あるいは内部で芯が詰まって出てこなくなるといった事態は、試験会場では致命的です。
シャーペン派の方は、必ず同じモデルを2本以上用意してください。芯を補充する時間すら惜しいため、1本目が書けなくなったら即座に2本目に持ち替えるのが正解です。もちろん、予備の芯ケースも机の上に置いておくことができますが、芯を入れ替える作業は意外と指先を使い、焦りを生みます。
また、試験前夜には必ず動作確認を行い、芯が十分に補充されているかを確認しましょう。新品のシャーペンをいきなり本番で使うのも避けるべきです。何度か模試などで使用し、ノックの感触や書き味に慣れておくことが、当日のミスを防ぐことに繋がります。
道具が揃ったら、次は「どう塗るか」というテクニックの面を見直してみましょう。塗り方一つで、マークミスを減らし、さらに時間を短縮することができます。
マークシートの塗り方には大きく分けて二つの流派がありますが、おすすめは「中心から外へ円を広げる」方法です。まず楕円の中心に芯を置き、そこから渦を巻くように外側へ広げていくと、はみ出しにくく素早く塗ることができます。
逆に外枠をなぞってから中を埋める方法は、丁寧ではありますが少し時間がかかります。TOEICのマークシートは、完全に真っ黒にする必要はありません。枠の8割から9割程度が埋まっていて、機械が判別できる程度の濃さがあれば十分です。完璧主義になりすぎて1箇所に時間をかけすぎないよう注意しましょう。
また、芯を少し斜めにして、接地面を大きく使うのがコツです。鉛筆でも太芯シャーペンでも、芯の「面」を使って塗る感覚を持つと、驚くほど速く塗り終わります。
マークミスをした際、素早くきれいに消すことも重要です。おまけについてくるような小さな消しゴムや、シャーペンの後ろについている消しゴムは、範囲が狭すぎて使い物になりません。
おすすめは、プラスチック消しゴムの定番である「MONO」や、各メーカーから出ている「マークシート専用消しゴム」です。これらは軽い力で広範囲を消せるように設計されており、紙を汚さずに修正が可能です。特にスティックタイプの細身の消しゴムは、隣のマークを間違えて消してしまう心配が少ないため、TOEIC受験者に愛用者が多いです。
修正する際は、「跡を残さず消す」ことが何より大切です。古いマークが残っていると、機械が二重解答とみなしてエラーを出してしまう可能性があります。消した後は必ず消しカスを払い、新しいマークをはっきりと書き込みましょう。
消しゴム選びのチェックポイント
・消しカスがまとまりやすく、散らばらないもの。
・軽い力で黒鉛がスッと落ちるもの。
・隣の回答欄を消さないよう、角がしっかりしている、あるいは細身のもの。
リスニングセクション(Part1?4)では、マークのタイミングも戦略になります。一般的には、音声が流れている間に正解を見定め、次の問題へ行くまでの数秒の間にマークを完了させます。
しかし、問題の先読みに時間を割きたい場合、解答用紙に「チョン」と小さな印だけをつけておき、リスニング終了後の数秒や、リーディングの開始直前に一気に塗りつぶすという手法をとる人もいます。ただし、この方法は「マークズレ」の最大のリスクになります。
安全なのは、やはり1問ごとに塗りつぶすことです。太芯の筆記用具を使っていれば、マークにかかる時間は1秒程度です。その1秒を惜しんでマークズレのリスクを冒すよりは、確実に応答の合間に塗り切る習慣をつけましょう。どうしても時間が足りない場合は、軽く楕円の中を埋める程度にしておき、最後に余裕があれば塗り直すというスタンスがおすすめです。
どんなに準備をしていても、本番は何が起こるかわかりません。試験中の文房具トラブルは、スコアに直結する大きな不安要素です。事前に万全の対策を立てておきましょう。
試験の緊張で思わず力が入り、鉛筆の芯がボキッと折れてしまうことは珍しくありません。その瞬間、頭が真っ白になってしまわないよう、バックアップの筆記用具は「すぐに手に取れる場所」に配置してください。
具体的には、解答用紙のすぐ脇、自分が一番手に取りやすい位置に、キャップを外した状態の予備鉛筆を2?3本並べておきます。万が一折れたら、考えるよりも先に手を伸ばして予備を掴む。この動作をシミュレーションしておくだけで、本番の焦りは激減します。
シャーペン派の人も同様です。ノックをしても芯が出てこないといった事態に備え、横に予備のシャーペンを置いておきます。芯を入れ替えるよりも、別のシャーペンに持ち替える方が圧倒的に速いです。文房具の予備は、自分を守るための盾だと考えましょう。
TOEICの試験会場の机は、必ずしも広いとは限りません。中には傾斜があったり、表面が滑りやすかったりする場合もあります。試験中に鉛筆がコロコロと転がり、床に落ちてしまうのは非常に不吉な気分になりますし、拾うのも大変です。
この対策として有効なのが、「六角形の鉛筆」を選ぶことです。丸い鉛筆は転がりやすいですが、六角形であればある程度の傾斜でも止まってくれます。また、シャーペンの場合はクリップがついているため、クリップを下にして置けば転がるのを防げます。
もし予備の文房具をたくさん並べるのが不安な場合は、滑り止めのついたペンケース(試験中は中身を出してケース自体はしまう必要がある場合が多いので注意)の近くに固めて置くなど、自分なりの「置き場所ルール」を決めておきましょう。試験官に「落とした鉛筆を拾ってください」と合図を送る手間を省くことができます。
「当日初めて使う文房具」ほど危険なものはありません。どんなに評判の良いマークシート専用ペンでも、自分の手に合うかどうかは実際に使ってみないとわかりません。
本番の1週間前までには、当日使う予定の鉛筆やシャーペンを決定し、公式問題集や模試を解く際に必ず使用してください。2時間連続でそのペンを握り続け、手が痛くならないか、マークのスピード感に違和感がないかを確認します。
「この鉛筆を使えば、いつも通り解ける」という自信こそが、本番の緊張を和らげる最大の特効薬になります。文房具を自分の体の一部のように馴染ませておくことが、TOEICという長丁場の戦いを勝ち抜く秘訣です。
模試を解く時は、マークシートも本番に近い形式のものを使いましょう。紙の質感によって芯の滑り具合が変わるため、本番に近い環境で練習することが大切です。
TOEICのマークシート攻略において、筆記用具選びは単なる好みの問題ではなく、戦略的な選択です。ここまで解説してきた通り、鉛筆とシャーペンにはそれぞれの利点がありますが、最も重要なのは「いかに速く、ストレスなく塗りつぶせるか」という一点に尽きます。
記事の要約ポイント
・基本的には、丸まった「鉛筆(Bまたは2B)」が塗りやすさ・速さの面で最も推奨される。
・シャーペン派なら、0.5mmではなく「1.3mm芯のマークシート専用タイプ」が必須。
・鉛筆は芯をあえて丸めておく、シャーペンは予備の本体を用意するなどの事前準備が重要。
・芯の濃さはHB、B、2Bの中から、自分の筆圧に合ったものを選ぶ(H系は避ける)。
・消しゴムは広範囲をきれいに消せる高品質なもの(MONOや専用品)を用意する。
・必ず本番前に模試などで使い心地を試し、手になじませておくこと。
文房具は、あなたの英語力を最大限に引き出すためのサポーターです。道具に対する不安をゼロにすることで、リスニングの音声やリーディングの長文読解に100%の意識を集中させることができるようになります。
次のTOEIC本番に向けて、ぜひ自分にとっての「ベストな一本」を見つけてください。鉛筆かシャーペンか、あなたが自信を持って握れる道具こそが、目標スコア達成への最短距離を走るための武器になるはずです。万全の準備を整えて、当日の試験に臨みましょう。