ハリーポッターの原書を英語で読んでみたいけれど、ページをめくるたびに知らない単語が出てきて、途中で投げ出してしまった経験はありませんか。児童書だから簡単だろうと挑戦したものの、魔法界特有の造語や独特の表現に圧倒されてしまう方は少なくありません。
せっかくの素晴らしい物語を英語で楽しむために、無理のない進め方を知っておくことは非常に重要です。この記事では、ハリーポッター原書で挫折しない読み方の具体的なテクニックや、レベルに合わせたステップを詳しくご紹介します。
完読するための準備や、魔法の用語をスムーズに理解するコツをマスターすれば、憧れの全巻読破も夢ではありません。楽しみながら英語力を向上させるための第一歩を、ここから一緒に踏み出していきましょう。
ハリーポッターの原書に挑戦する際、まず大切なのは「完璧に理解しようとしないこと」です。物語の世界観に浸りながら、自分の現在の実力に合わせた最適な環境を整えることが、長続きさせるための秘訣となります。
ハリーポッターシリーズは、物語が進むにつれて主人公たちの成長に合わせて、使われる英単語の難易度や文章の構成が少しずつ複雑になっていきます。そのため、どれほど興味があっても第1巻の「Harry Potter and the Philosopher's Stone(賢者の石)」から読み始めるのが定石です。
客観的な難易度を示す指標として「Lexile(レクサイル)指数」がありますが、第1巻は880L程度とされており、これはTOEICで700点以上、英検準1級程度の読解力があるとスムーズに読み進められるレベルです。もし「まだ少し難しい」と感じる場合は、いきなり長編に挑むのではなく、著者が執筆した短編の「The Tales of Beedle the Bard(吟遊詩人ビードルの物語)」から手をつけてみるのも良い方法です。
自分に合ったボリュームからスタートすることで、「英語の本を一冊読み終えた」という成功体験が得られ、それが次の巻へ進む大きな原動力になります。まずは自分の現在の語彙力や読解スピードを過信せず、最も入りやすい入口から物語の世界へ入るようにしましょう。
ハリーポッターの原書には、主にイギリス版とアメリカ版の2種類が存在することをご存知でしょうか。舞台がイギリスであるため、本来の雰囲気や筆者の意図をそのまま味わいたいのであれば、イギリス版(Bloomsbury社刊)を選ぶのがおすすめです。
アメリカ版(Scholastic社刊)は、タイトルの「Philosopher's Stone」が「Sorcerer's Stone」に変更されているのをはじめ、イギリス特有の表現がアメリカ英語に書き換えられています。例えば、「biscuits」が「cookies」、「jumper」が「sweater」になっているなど、日常的な語彙に細かな違いが見られます。どちらを選んでも物語の本質は変わりませんが、学習目的や好みに合わせて一貫したバージョンを選ぶと混乱を防げます。
多くの日本の英語教育はアメリカ英語をベースにしているため、アメリカ版の方が馴染みがあるかもしれません。しかし、ハリーたちの住む世界の空気感を大切にするなら、イギリス英語特有の綴りや言い回しが学べるイギリス版に挑戦するのも非常に有意義な経験になります。
紙の本の手触りも魅力的ですが、英語学習としての読書を成功させるなら、電子書籍リーダーのKindle(キンドル)を強くおすすめします。最も強力な機能の一つが、単語を指で長押しするだけで意味が表示される「辞書機能」です。紙の辞書を引く手間が省けるため、読書の集中力を切らすことなく読み進めることができます。
さらにKindleには「Word Wise(ワード・ワイズ)」という、難しい英単語の上に簡単な英語で意味を表示してくれる機能があります。これを使えば、辞書を引く頻度を劇的に減らすことが可能です。ハリーポッターのように独特の形容詞や動詞が頻出する作品では、この補助機能が挫折を防ぐ心強い味方となってくれます。
Kindleを活用するメリット:
・わからない単語を瞬時に調べられるため、読書スピードが落ちない。
・Word Wise機能で、辞書を引かなくても文脈を把握しやすくなる。
・ハイライト(マーカー)を引いた単語を後から単語帳として復習できる。
ハリーポッターのような大作を読み切るには、学習者特有の「真面目さ」が裏目に出ることがあります。すべての文を文法的に解釈しようとせず、物語を楽しむことを優先した「多読」のスキルを身につけましょう。
原書を読み始めてすぐに手が止まってしまう原因の多くは、知らない単語に出会うたびに辞書を引いてしまうことにあります。ハリーポッターには魔法界特有の言葉だけでなく、イギリス特有の日常語も多く含まれています。これらをすべて調べていると、1ページ進むのに30分以上かかってしまい、ストーリーの面白さを感じる前に疲れてしまいます。
多読の鉄則は、「全体の7割程度の内容がわかれば良しとする」という大らかな姿勢です。たとえ一文の意味が完全にわからなくても、次の段落で「ハリーが怒っている」ことさえ伝われば、物語は前へ進みます。細かいニュアンスにこだわりすぎず、大まかな流れをつかむことに意識を向けてみてください。
何度も繰り返し出てくる単語は、物語にとって重要な意味を持っている可能性が高いです。そのような言葉に出会った時だけ辞書を引くようにルールを決めると、効率よく語彙を増やしながら読書のペースを保つことができます。辞書を「使う道具」から「補助的な確認手段」へと役割を変えることが、挫折しないコツです。
J.K.ローリングの文章の特徴として、発言した時の様子を表す動詞が非常に多彩であることが挙げられます。「said(言った)」の代わりに、「muttered(つぶやいた)」「wailed(嘆いた)」「snarled(唸った)」などの単語が頻繁に使われます。これらを一つひとつ暗記しようとするのは大変な作業です。
初心者のうちは、会話文の後ろにあるこうした動詞はすべて「said(言った)」程度の認識で読み飛ばしても問題ありません。また、情景描写に使われる細かい形容詞も、ストーリーの骨子に関わらない場合は無視してしまいましょう。「誰が誰に何を言ったか」という核となる部分に集中することで、読解の負担を大幅に軽減できます。
こうした文学的な表現は、読み進めるうちに自然と文脈から雰囲気が掴めるようになってくるものです。最初は無理に覚えようとせず、キャラクターたちのやり取りを楽しむことに注力しましょう。情報の優先順位をつけることが、膨大なページ数を誇るハリーポッター攻略のポイントになります。
「今日は1章分まるごと読むぞ」と高い目標を立てると、忙しい日が続いた時に計画が崩れ、そのままフェードアウトしてしまいがちです。挫折を防ぐためには、「1日15分だけ、または2ページだけ読む」といった、絶対に達成できる小さな目標を設定しましょう。
英語の長文読解には「脳のスタミナ」が必要です。慣れないうちは、短時間でも英語のシャワーを浴び続けることで、徐々に英語を英語のまま理解する回路が作られていきます。お風呂上がりや寝る前など、決まった時間に本を開く習慣を作ることで、読書が日常の一部に溶け込んでいきます。
読書を継続するためのヒント:
・スマホの通知をオフにして、15分間だけ物語の世界に没頭する環境を作る。
・「今日は全然読めなかった」と落ち込むのではなく、「1行読めた自分」を褒める。
・カバンの中に常に本(またはKindle)を入れておき、スキマ時間を活用する。
ハリーポッターが他の洋書と異なる点は、現実世界には存在しない「魔法界の言葉」が多く登場することです。これらを一般的な英単語と混同してしまうと、意味が通じなくなり混乱を招いてしまいます。
作品内には「Muggle(マグル:非魔法族)」や「Quidditch(クィディッチ:魔法界のスポーツ)」など、著者の造語が溢れています。これらの言葉は、いくら一般的な英語辞書で調べても本来の意味は出てきません。まずはこれらが「固有名詞」や「専門用語」であることを理解し、そのまま受け入れることが大切です。
特に呪文(Spells)の多くはラテン語を語源としており、日常英語とは異なります。「Expelliarmus(エクスペリアームス:武器よ去れ)」などの呪文が登場した際は、それを動詞や名詞として分析するのではなく、一種の記号として捉えましょう。幸いなことに、日本語版や映画で馴染みがある言葉も多いため、既知の情報を活用すれば理解を助けてくれます。
| 英単語(造語) | 日本語の意味 | 補足 |
|---|---|---|
| Muggle | マグル | 魔法を使えない普通の人間 |
| Quidditch | クィディッチ | 箒に乗って行う球技 |
| Horcrux | 分霊箱 | 魂を分割して収める器(後半の重要単語) |
| Wand | 杖 | 魔法を繰り出すための道具 |
読者を最も困惑させる要素の一つが、大男ハグリッドの独特な話し方です。彼のセリフは西カントリー地方の訛りを反映しており、綴りが崩されているため、学校で習う英語とはかけ離れています。例えば、「ter」は「to」、「yeh」は「you」、「bin」は「been」を意味しています。
これらを一つずつ解析しようとすると頭が痛くなりますが、コツは「声に出して読んでみること」です。文字で見ると意味不明でも、音にしてみると本来の英単語に近い響きであることに気づくはずです。ハグリッドのセリフが出てきたら、「あ、これは彼らしい親しみやすい話し方なんだな」と軽く受け流す余裕を持ちましょう。
また、イギリス英語特有の綴りにも慣れておく必要があります。「color」は「colour」、「center」は「centre」、「realize」は「realise」と表記されます。これらは間違いではなく、イギリス版原書の正当な綴りです。読み進めていくうちに目が慣れてくるので、過度に心配する必要はありません。
登場人物たちは、それぞれの性格や身分を反映した言葉遣いをしています。ハーマイオニーは理知的で少し難しい語彙を使い、ロンはカジュアルで若者らしい表現を多用します。キャラクターの性格を把握していれば、多少難しい単語が出てきても「きっと論理的な説明をしているんだろうな」と推測しやすくなります。
こうした話し方の違いを意識することで、文章の背後にある「感情」を読み取れるようになります。英語の学習としてだけでなく、文学的な深みを味わうことで、読書そのものへのモチベーションが高まります。それぞれのキャラクターがどのような口調で話しているのかをイメージしながら読むと、物語の没入感が格段に向上します。
補足説明:英語の訛り(方言)について
英語は地域によって発音や語彙が大きく異なります。ハリーポッターではハグリッド以外にも、マンダンガス・フレッチャーのようなキャラクターが下町言葉(コックニー)に近い表現を使うことがあります。これらは読者にリアリティを感じさせるための演出ですので、完璧な文法を期待せずに読み進めるのがコツです。
原書を自力だけで読み進めるのは、非常に険しい道です。すでに存在する強力なサポートツールである「映画」や「翻訳版」を賢く使うことで、挫折の確率をぐっと下げることができます。
もしあなたがハリーポッターの熱狂的なファンで、すでに映画や日本語版で内容を知っているなら、それは英語学習において最強の武器になります。物語の結末や次に何が起こるかを知っている状態では、「未知の単語」の意味を文脈から推測する精度が飛躍的に高まるからです。
初めて物語に触れる際に原書を選ぶのは、かなり難易度が高いためおすすめしません。まずは映画を字幕なし、あるいは英語字幕付きで視聴して、視覚的に場面を頭に焼き付けておきましょう。その後で原書を開くと、映像が脳内で再生され、文字情報がスムーズに補完されるのを実感できるはずです。
「ネタバレを避けたい」という気持ちもわかりますが、英語で読み切ることを優先するなら、予習は決して「ズル」ではありません。むしろ、確かな地図を持って冒険に出るようなものです。内容を知っているからこそ、細かい描写や英語ならではの言い回しに注目する余裕が生まれるのです。
どうしても意味が取れない場面に出会った時、頼りになるのは日本語訳版の存在です。最近ではスマートフォンのアプリで日本語版を表示させたり、Kindleで並行して開いたりすることも可能です。自力で考え抜くことも大切ですが、あまりに長く悩みすぎると挫折の原因になります。
「5分考えてわからなければ日本語版を確認する」といったルールを作っておけば、ストレスなく読み進められます。ただし、日本語訳はあくまで「物語を日本人が楽しむために意訳」されている部分もあるため、英単語と日本語が一対一で対応していない場合があることには注意が必要です。
日本語版を先に読み、その直後に同じ章を英語版で読むという「交互読み」も非常に効果的です。この方法なら、内容理解に脳のリソースを割く必要がないため、純粋に「英語の表現」を吸収することに集中できます。自分のレベルに合わせて、日本語版との距離感を調整してみてください。
聴覚を刺激することも、読書を楽にする秘訣です。Amazonが提供する「Audible(オーディブル)」などのサービスでは、ハリーポッター全巻の朗読を聴くことができます。特におすすめなのが、スティーブン・フライ氏やジム・デイル氏による朗読を聴きながら、同時にテキストを目で追う「聞き読み」です。
プロのナレーターは、感情を込めて適切な間(ま)をとりながら読んでくれるため、文章の構造が自然と理解しやすくなります。自分一人で黙読していると読み飛ばしてしまう部分も、音声に引っ張られることで丁寧に追うことができます。また、キャラクターごとに声を使い分けてくれるので、誰のセリフなのかも一目瞭然です。
オーディオブック活用のメリット:
・正しい発音とリズムが身につき、リスニング力も同時に向上する。
・一定のペースで読み進めるため、途中でダレるのを防いでくれる。
・通勤や通学中など、手が離せない時でも物語を進めることができる。
全7巻という長丁場を乗り越えるには、長期的な見通しを持つことが重要です。巻が進むごとに物語のトーンが変わるのと同様に、英語の性質も変化していくことを理解しておきましょう。
最初の3巻は、まだ児童書としての側面が強く、文章も比較的シンプルです。特に第1巻「賢者の石」は、ハリーと一緒に魔法界のことを一つずつ学んでいく構成になっているため、説明が丁寧で理解しやすいのが特徴です。まずはここで、シリーズ共通の語彙や筆者の文体に慣れてしまいましょう。
第3巻「アズカバンの囚人」あたりから、徐々に文章の量が増え、ミステリー要素や心理描写が深まってきます。ここを読み終える頃には、あなたの脳は「ハリーポッター特有の英語」にかなり適応しているはずです。もし3巻までをある程度スムーズに読めるようになったなら、英語力は確実に一段上のステップへと上がっています。
ここで焦ってスピードを上げすぎないことが肝心です。土台となる基礎語彙や魔法用語が定着していないと、後半の複雑なストーリー展開についていけなくなる可能性があるからです。じっくりと時間をかけて、魔法界のルールを英語で理解する喜びを味わってください。
第4巻「炎のゴブレット」からは、1冊あたりのページ数が劇的に増加します。内容も大人向けのシリアスなものへと変化し、複雑な人間関係や政治的な駆け引き、過去の因縁などが緻密に描かれるようになります。語彙もより抽象的で高度なものが増え、学習者にとっては大きな試練となります。
この段階で大切なのは、「1冊を細かく分割して考える」ことです。800ページある大作を一気に読もうとせず、「今週は第5章まで」といった短期的なゴールを積み重ねていきましょう。物語自体が非常にスリリングで面白くなっていくため、ストーリーの引力さえ味方につければ、多少の英語の難しさは気にならなくなります。
また、後半になると「過去の巻で出てきた伏線」が英語で表現される場面も増えます。もし内容を忘れてしまったら、遠慮なく日本語のまとめサイトや解説本を参照してください。背景知識を補いながら読み進めることで、英語の壁を感じることなく物語の核心へと迫ることができます。
どれほどハリーポッターが好きでも、毎日英語を読み続けるのは疲れるものです。モチベーションが下がってきたと感じたら、無理に読書を続けるのではなく、思い切って数日間休むか、別の形でのインプットに切り替えてみましょう。
例えば、本を読む代わりに映画の好きなシーンを観返したり、サウンドトラックを聴いたりして、世界観への興味を維持することが大切です。また、SNSで同じように原書に挑戦している仲間の進捗を見るのも良い刺激になります。「英語の勉強」という義務感ではなく、「ハリーたちのその後が知りたい」という純粋な好奇心を絶やさないように工夫してください。
モチベーション維持のためのチェックリスト:
・お気に入りのしおりを用意して、読むモチベーションを高める。
・読み終えたページ数を記録して、自分の頑張りを可視化する。
・「自分は今、ホグワーツの生徒と同じように学んでいるんだ」と想像して楽しむ。
ハリーポッターの原書を読み切ることは、単なる英語の練習を超えて、魔法界の息遣いを直接肌で感じる素晴らしい体験です。挫折しないための最も重要なポイントは、自分を追い込みすぎず、物語そのものを全力で楽しむ姿勢を持つことです。
まずは第1巻から、Kindleなどの便利なツールを活用して、わからない単語を「7割スルー」しながら読み進めてみてください。魔法の用語やイギリス英語の癖に最初は戸惑うかもしれませんが、ページをめくるごとにそれらはあなたの新しい語彙として定着していきます。
映画や翻訳版という心強い味方を使いこなし、1日15分の小さな習慣を積み重ねていけば、最後の一行を読み終えた時、あなたは以前とは比べものにならないほどの英語力と達成感を手に入れているはずです。あなたの英語学習という冒険が、魔法のように輝かしい成果をもたらすことを心から応援しています。