大学受験や資格試験の定番である「速読英単語」は、英文の中で単語を覚える画期的な教材です。しかし、1周目をなんとか終えたものの、いざ2周目に入ろうとした時にやる気を失ってしまう方が少なくありません。
「1周やったのに全然覚えていない」「またあの長い文章を読むのか」というプレッシャーが、学習の継続を妨げる大きな壁となります。
この記事では、速読英単語の2周目で挫折してしまう具体的な理由を分析し、最後までやり遂げるための実践的な対策をご紹介します。
挫折のメカニズムを理解し、正しい学習アプローチを取り入れることで、英語力は飛躍的に向上します。
自分に合った継続のコツを掴んで、着実に語彙力を身につけていきましょう。
多くの学習者が2周目で立ち止まってしまうのは、いくつかの共通した原因があります。まずは、なぜ自分が「もうやりたくない」と感じてしまうのか、その心理的な背景と学習上の問題点を確認してみましょう。
理由が明確になれば、それに対する適切な対処法も見えてきます。
挫折の最も多い理由は、1周目の段階で「すべての単語を完璧に覚えよう」と無理をしすぎることです。
最初から全力疾走をしてしまうと、2周目に入る頃にはエネルギーが切れてしまい、教材を開くこと自体が苦痛になってしまいます。
速読英単語は、繰り返し英文に触れることで徐々に記憶を定着させる設計になっています。
1周目で100%の暗記を求めてしまうと、覚えられない自分に嫌気が差し、学習のハードルがどんどん上がってしまうのです。
この「完璧主義」が、継続を阻む最大の要因と言っても過言ではありません。
2周目を始めた際、昨日覚えたはずの単語や、以前時間をかけて読み込んだはずのページが全く思い出せないことがあります。
この「忘却」の事実に直面したとき、自分の努力が無駄だったと感じてしまい、モチベーションが急落します。
人間の脳は、一度見ただけの情報をすぐに忘れるようにできています。
忘れることは脳の正常な機能なのですが、真面目な学習者ほど「自分は記憶力が悪いのではないか」とネガティブに捉えてしまいがちです。
この精神的なショックが重なると、2周目の途中で本を閉じてしまう結果に繋がります。
速読英単語の最大の特徴はストーリーの中に単語があることですが、2周目でも1周目と同じように丁寧に精読(細かく構文を分析して読むこと)しようとすると、膨大な時間がかかります。
内容を知っている英文を再度じっくり読む作業は、新鮮味がなく、退屈に感じやすいものです。
特に忙しい学生や社会人の場合、まとまった学習時間を確保するのが難しいため、進みの遅さに焦りを感じ始めます。
「このペースではいつ終わるかわからない」という不安が、挫折を引き起こす引き金になります。
2周目は1周目とは異なる、スピードを意識したアプローチが必要不可欠です。
挫折の原因を整理してみましょう。
1. 完璧主義によるエネルギー切れ
2. 忘れていることへの自己嫌悪
3. 時間不足による焦りと退屈感
これらの要因を解消することが、2周目完走への道筋となります。
2周目を成功させるためには、学習に取り組む前の「マインドセット(考え方)」が重要です。
根性論で乗り切ろうとするのではなく、心理的な負担を減らすための戦略を立てておきましょう。
ここでは、挫折を防ぐために持っておくべき3つの視点について解説します。
まず大切なのは、単語を忘れてしまう自分を許すことです。
エビングハウスの忘却曲線という有名な理論があるように、人は情報を得た直後から急速に忘れていきます。
2周目の目的は、1周目で覚えたことを確認することではなく、忘れたことを「思い出す」作業を通じて記憶を強化することにあります。
「忘れているからダメだ」ではなく、「忘れているからこそ、今もう一度出会えてラッキーだ」というポジティブな捉え方に変換しましょう。
記憶は思い出す回数が多いほど強固になります。
忘却は学習プロセスの一部であると理解することで、精神的な負担を大幅に軽減できます。
2周目の目標設定は、あえて「完璧」を避けるのがコツです。
すべての単語の意味を即座に答えられるようにするのではなく、まずは「見たことがある」「なんとなく意味が推測できる」という状態を目指しましょう。
高いハードルを課すと、一歩が出にくくなってしまいます。
合格点を60%程度に設定しておけば、サクサクと読み進めることができます。
速読英単語は、3周、4周と繰り返すことで真価を発揮する教材です。
「2周目で完璧にする」という考えを捨て、「何度も繰り返す前提で、まずはざっくり確認する」という柔軟な姿勢が挫折を防ぎます。
2周目の最大の目標は、1周目にかかった時間の半分から3分の2程度で全ページを通ることです。
時間をかければかけるほど、途中で飽きたり挫折したりするリスクが高まります。
スピード感を持って進めることで、「自分は進んでいる」という達成感を得やすくなります。
短期間で全範囲を網羅することで、単語との再会頻度が高まり、脳が「これは重要な情報だ」と判断しやすくなります。
丁寧に1日1章ずつ進めるよりも、1日3?5章をハイスピードで回す方が、記憶の効率もモチベーションの維持も格段に向上します。
記憶を定着させるヒント
一度に長時間かけるよりも、短い時間で何度も目に触れるほうが記憶に残ります。1ページに10分かけるより、1分を10回繰り返すイメージで取り組んでみてください。
心構えができたら、次は具体的な学習メソッドを改善しましょう。
1周目と同じ方法を繰り返すのではなく、2周目に特化した効率的なテクニックを取り入れることで、学習の質とスピードが格段にアップします。
ここでは、すぐに実践できる3つの対策を紹介します。
2周目では、本を開いて文字を追うだけでなく、音声をメインに活用することをおすすめします。
英文を読み上げる音声(ダウンロード版やCD)を聴きながら、単語の意味を確認していくスタイルです。
音声があれば、自分の意思とは関係なく学習が前に進むため、立ち止まって悩む時間を減らせます。
また、音声に合わせて英文を音読したり、シャドーイング(音声の後を追いかけて発音すること)をしたりすることで、視覚以外の感覚も刺激されます。
これにより、単語の定着率が上がるだけでなく、リスニング力の向上も期待できます。
「今日は疲れていて本を読みたくない」という日でも、音声を聴くだけなら続けられるはずです。
2周目の非常に重要な作業が、単語の「仕分け」です。
ページをめくりながら、パッと見て意味がわかった単語には何もしないか、小さなレ点(チェック)を入れます。
一方で、思い出せなかった単語や不安な単語には、目立つマークを付けましょう。
このように「覚えている単語」と「覚えていない単語」を分けることで、3周目以降に自分が重点的に取り組むべき場所が明確になります。
すでに知っている単語に時間をかけるのは非効率です。
「できないこと」を特定する作業と捉えれば、忘れている単語に出会うのも苦ではなくなります。
1周目では一文一文の文法構造を確認したかもしれませんが、2周目はストーリー全体の流れを追うことに主眼を置きましょう。
単語の意味を文脈の中で思い出しながら、スピーディーに英文を読み進めます。
もし意味が取れない箇所があっても、深追いせずに解説ページをサッと確認して次へ進む勇気が大切です。
速読英単語の名前の通り、速く読む練習を兼ねることで、実戦的な読解力が養われます。
文脈の中で単語に出会うことで、単語カードでは得られない「語のニュアンス」が自然と身につきます。
スピード感を重視することで、学習のリズムが生まれ、挫折しにくい環境を作ることができます。
2周目の進め方比較表
| 項目 | 1周目の進め方 | 2周目の進め方 |
|---|---|---|
| 中心となる作業 | 精読・構文理解 | 速読・音声学習 |
| 1ページにかける時間 | 長い(10?20分) | 短い(3?5分) |
| 目標 | 基礎固め | 仕分けと記憶の強化 |
どんなに優れた勉強法も、継続できなければ意味がありません。
特に2周目は中だるみしやすい時期であるため、意志の力に頼らずに済む仕組み作りが必要です。
ここでは、学習を日常生活に組み込むためのスケジュール管理のコツについて詳しくお伝えします。
「今日は5章進める」という目標を立てると、難しい章に当たった時に予定が崩れ、それがストレスになります。
そこでおすすめなのが、「1日30分だけ速単をやる」という時間制のノルマです。
時間は固定されているため、どんなに進行が遅くても「時間までやった」という達成感を得られます。
タイマーをセットして集中して取り組むことで、ダラダラと勉強するのを防ぐ効果もあります。
予定通りに進まなかったとしても、決まった時間向き合った自分を褒めてあげましょう。
この小さな成功体験の積み重ねが、大きな挫折を防ぐための防波堤となります。
英単語の学習は、机に向かって勉強するだけでなく、日常のちょっとした空き時間を活用するのが最も効率的です。
通勤・通学の電車内、昼休みの10分、お風呂の中など、生活の中に速読英単語を持ち込みましょう。
1回5分の学習でも、1日4回繰り返せば20分になります。
脳は「何度も目にする情報」を重要だと認識します。
一度に1時間勉強するよりも、10分の勉強を6回に分けて行う方が記憶への定着は良いとされています。
常にカバンの中に本を入れておく、あるいはスマホに音声を入れておくなど、いつでも学習を再開できる環境を整えてください。
2周目は成果が見えにくいため、進捗状況をカレンダーや記録アプリに残すのが効果的です。
「今日はここまで進んだ」「累計でこれだけ読んだ」という記録が目に見える形になると、モチベーションを維持しやすくなります。
人間は、自分が積み上げてきたものを失いたくないという心理が働くため、記録をつけるだけで継続率が上がります。
また、マークした単語が2周目、3周目と進むにつれて減っていく様子を確認できると、自分の成長を実感できます。
挫折しそうな時は、その記録を振り返ってみてください。
今までこれだけ頑張ってきたのだから、あと少し続けてみようという気持ちが湧いてくるはずです。
おすすめの習慣化テクニック
「if-thenプランニング」を活用しましょう。「電車に乗ったら本を開く」「歯を磨いたら音声を聴く」といった具合に、既存の習慣とセットにすることで、自然と勉強に取りかかれるようになります。
インプット(読む・聴く)だけでなく、適度なアウトプット(出す)を組み合わせることで、記憶の定着率は劇的に向上します。
2周目からは、単に眺めるだけでなく、少しだけ「使う」意識を持ってみましょう。
ここでは、誰でも簡単にできるアウトプットの工夫を紹介します。
単語と日本語訳を1対1で丸暗記しようとするのは限界があります。
2周目では、その単語がどのような場面で使われるのか、映像としてイメージしてみましょう。
例えば、「collapse(崩壊する)」という単語を見たら、建物が崩れる様子や、疲れ果てて倒れ込む人を頭に思い浮かべるのです。
このようにイメージを活用すると、右脳が刺激され、記憶が残りやすくなります。
また、自分にとって身近な例文を作ってみるのも有効です。
「昨日の部活でcollapseした」のように、日本語の中に英単語を混ぜて感情と一緒に覚えることで、単語が「自分の言葉」として定着していきます。
アウトプットの最も手軽な方法は、自分自身にクイズを出すことです。
英文を読む前に、見出し語だけを見て意味が言えるかチェックしたり、逆に意味を見てスペルを思い浮かべたりします。
この「思い出そうと努力するプロセス」が、脳の神経回路を強化し、記憶を深い場所へ移してくれます。
速読英単語には別売りのワークブックやアプリもありますが、本一冊でも十分テストは可能です。
赤シートを使って単語の意味を隠し、パッパと答えを確認していきましょう。
1ページあたり1?2分程度のスピーディーなセルフテストを繰り返すだけで、記憶の強度は格段に変わります。
速読英単語で学んだ単語を、他の問題集や英語ニュース、SNSなどで見つけた時の喜びは格別です。
これを「再会効果」と呼び、この瞬間に単語は一生モノの知識になります。
2周目と並行して、志望校の過去問や簡単な英語の読み物に触れる機会を作ってみてください。
「あ、これ速単に出てきた単語だ!」という経験を一度でもすると、学習が楽しくなり、挫折という言葉とは無縁になります。
単語集の中だけで完結させず、外の世界でその単語がどう使われているかを意識的に探す姿勢が、英語力をもう一段上のレベルへと引き上げてくれます。
記憶を加速させる3ステップ
1. イメージ化:映像で捉える
2. セルフテスト:自力で思い出す
3. 実践:他の媒体で確認する
これらを意識するだけで、2周目の効果は数倍に跳ね上がります。
速読英単語の2周目で挫折してしまうのは、あなたの能力のせいではなく、勉強のやり方や考え方に少しだけ改善の余地があるからです。
1周目で完璧を求めすぎず、2周目では「忘れているのは当たり前」という広い心を持って取り組むことが大切です。
すべてを完璧にこなそうとせず、スピードと回数を重視するスタイルに切り替えましょう。
具体的な対策として、音声学習の導入や、覚えている単語の仕分け、スキマ時間の活用などは非常に有効です。
特に、音声を聴きながら英文を速読する習慣をつければ、学習のハードルはぐっと下がり、いつの間にか全ページを終えているはずです。
挫折しそうになったら、一度立ち止まって「今は記憶を強化している最中なんだ」と自分を励ましてあげてください。
速読英単語を2周、3周と繰り返した先には、驚くほどスムーズに英文が読めるようになった自分が待っています。
単語力は一朝一夕には身につきませんが、正しい方法で継続すれば必ず結果が出ます。
この記事で紹介した対策を一つでも取り入れて、挫折の壁を乗り越え、英語上達への道を一歩ずつ進んでいきましょう。